高尿酸血症で気を付けたい食事のポイントは?

この記事のポイント

  1. 高尿酸血症は生活習慣病であり、治療は食事療法が重要
  2. カロリーやプリン体、カロリーの制限、腎機能に応じた水分摂取が基本
  3. 定期的な尿酸値の測定と食事療法の継続が大切

痛風や腎障害などを引き起こす高尿酸血症は、食事・運動などを中心とした生活習慣の見直しによって改善が見込めます。今回は食事に焦点を当てて、高尿酸血症の患者さんが気を付けたいポイントをご紹介します。

高尿酸血症とは?

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が異常に多い(尿酸値が7mg/dl以上)状態です。その原因は、体内で作られる尿酸の量が多すぎる、もしくは尿酸が上手に排泄されない、またはその両方が考えられます。その状態が続くと尿酸が関節などにたまって腫れ、痛風などを引き起こして激しい痛みが生じることもあります。

高尿酸血症の発症には食事、飲酒、運動などが影響するため、治療は生活習慣の改善が中心となります。特に食事では、プリン体やアルコール、カロリーなどを取りすぎていることが多いので、メタボリックシンドロームだけでなく、心筋梗塞しんきんこうそくなどの血管疾患のリスクを抑えるためにも食事内容を見直す必要があります。

なお、尿酸値が8~9mg/dl以上に上がり、痛風や糖尿病、高血圧、腎障害などの合併症がある場合は薬などを使った治療がすすめられます。

高尿酸血症の改善は食事から!

食事の面では、エネルギー摂取量の制限などによる肥満の改善からはじまり、尿酸の生産を増やすアルコールや砂糖・果糖の制限、動物性たんぱくなどのプリン体を多く含む食品の制限などを行います。

また、尿酸の排泄を促すために十分な水分補給をすることも大切です。

エネルギー摂取量の制限による肥満改善

肥満の状態だと、体内でプリン体の産生が促されるばかりでなく、尿酸の排泄低下にもつながることが分かっています。またBMIや体脂肪率が高いほど、血液中の尿酸値が上がることも知られています。そのため、肥満のある人は減量を目標に、肥満のない人は今後の肥満予防のために、エネルギー摂取量(カロリー)の制限を行います。

具体的な摂取量は年齢や性別、日ごろの運動量などにより異なりますが、一般的には目標体重×30kcalを目安に設定して様子を見ることが多いようです。ご自身に合ったエネルギー摂取量については、医師や管理栄養士に相談してみましょう。

アルコールの制限

普段からお酒を飲む方の場合、アルコールを取りすぎていないか見直してみましょう。アルコールは細胞で作られる尿酸を増やすだけでなく食欲を増加させるため、肥満にもつながりやすいので注意が必要です。また、一緒に食べるおつまみにプリン体が多く含まれていることもあるので気を付けましょう。

1日に飲むアルコールの適量は、ビールなら500ml、ワインなら100ml、日本酒なら1合(180ml)、ウイスキーならダブル1杯(60ml)が目安です。

砂糖・果糖の制限

アルコール以外でも、ジュースやスポーツドリンク(清涼飲料水)などの甘い飲み物は、尿酸の産生を促進させる砂糖や果糖が含まれることから過剰摂取には注意が必要です。水分補給の際は、後述するように水やお茶、低脂肪牛乳などを飲むことがすすめられます。

プリン体の制限

尿酸を生み出すプリン体の摂取制限もすすめられます。プリン体が多い食べ物は、動物性たんぱくが含まれる肉類や魚介類、内臓類、さらにビールや豆類などさまざまですが、全て制限すると長続きしません。

まずは肉食に偏らないよう心がけ、豆類や卵などの取りすぎに気を付けることから始めてみましょう。

水やお茶、低脂肪牛乳などで十分な水分を取る

水分をたくさん取って尿量を増やすことで、尿酸の排泄を助けます。水やお茶などノンカロリーの飲みもので、1日2Lを目標にしっかりと水分補給しましょう。

また、牛乳には尿酸値を下げる効果があるとされています。ただし、過剰摂取は肥満につながることもあるため、普通の牛乳の場合は1日200ml程度、低脂肪牛乳の場合は1日300ml程度を目安に飲みましょう。

高尿酸血症を改善する食事についてはサルスクリニックにご相談を

高尿酸血症の治療のためには食事の改善が重要ですが、きつい食事制限を長期間続けると、どうしても嫌になってしまうものです。具体的な食事内容についての相談や、無理なく長期的に適切な食事を続けていくためにも、まずはクリニックで医師や管理栄養士によるアドバイスを受けてみましょう。また、定期的に尿酸値を測定して、治療の効果を把握することも大切です。

日本橋と武蔵境にあるサルスクリニックは、駅近の通いやすい立地とカフェのような院内でくつろいで受診いただけます。管理栄養士が常駐しているので、高尿酸血症の症状や程度、個々の好みなどに合わせた食事指導の実施はもちろん、その継続もサポートいたします。ぜひ一度、サルスクリニックにお越しください。

フローティングバナー フローティングバナー