未来につづく、今を診る。~サルスクリニック日本橋の理念とは?~

2021年6月に開院したサルスクリニック日本橋は、内科・糖尿病内科・腎臓内科を専門としたクリニックです。健康診断も行っており、異常があれば検診から医師による診察までワンストップで受診できます。

今回はサルスクリニック日本橋の上條 由佳かみじょう ゆか先生に、クリニックの理念についてお話を伺いました。

サルスクリニックの目指す医療とは

サルスクリニックの治療方針について

サルスクリニックでは、さまざまな患者さんに寄り添った医療を心がけて診療を行っています。高血圧症や糖尿病、慢性腎臓病などの慢性疾患や生活習慣病を抱える方の場合、その病気と長期にわたり付き合っていく必要があり、病気をコントロールするためには生活習慣の改善が欠かせません。しかし、症状が出にくい生活習慣病を自分のものとして受け入れ、これまで当たり前のようにしみついてきた生活習慣を変えていくことは難しいのが実際です。

たとえば、働き盛りの患者さんは仕事が忙しく、健康診断などで異常値が出ても精密検査に行けないなど、自分の健康のためにかける時間が捻出できないことがあります。また多大なストレスを抱えているケースもあり、医療機関で生活改善のための指導をしても、目の前の日常に追われることにより、うまく心に響かないことがあります。症状がないことから、どうしても「今困っていないから」という理由で受診を後回しにし、気付いたら病気が進んでしまうのです。

サルスクリニックではこのような患者さんのケアを行うべく、医師・看護師・管理栄養士などのスタッフが同じ指標を持って患者さんの疾患人生に寄り添い、長期的なサポートを行います。何よりも患者さんとの信頼関係を重要視し、病気や治療の説明をしっかり行ったうえで、生活や価値観も考慮し治療方針を相談していきます。

また生活指導においても、ただ「運動しなさい」「塩分を控えなさい」などと指導するだけでなく、患者さんとの会話を通じてできることから具体的に提案し、通院しやすい仕組みをとることにより、患者さんが病気や疾病リスクを抱えながらもご自身の人生をよりよく歩めるよう促します。 

クリニック名の由来――サルトジェニックとは?

サルスクリニックという名前には“サルトジェニック”、つまり“プラスを作る医療”という意味が込められています。従来、医療は“パソジェニック”といって、“病気というマイナスな状況を最小限にすること”が重視されてきました。このために患者さんは投薬のほか、食事など生活上の制限ばかりが課せられ、特に慢性疾患の方は長期的に窮屈な思いをしてしまいがちでした。

サルトジェニックの考え方では“心身共によりよい状態”を目指して生活習慣の改善や治療を行うため、病気とうまく付き合っていくことで患者さんがより幸福感を感じやすくなり、結果として慢性疾患の管理も良好となることを目指します。

さらに、これら診療を通じて、最終的には患者さんの生活の質(QOL)の向上につなげていきたいと考えています。

サルスクリニックのロゴは元気に全身を使って動く人間をイメージして制作されました。臓器のみでなく人間全体を診ること、病気であってもより元気(ウェルネス)な状態でいることを表しています。温かみのあるオレンジをコンセプトカラーにし、生活に寄り添った医療をイメージしています。

“未来に続く、今を診る”というコンセプト実現のために工夫していること

時間的・空間的な診療の壁を取り除く

サルスクリニック 日本橋の外観

ハード面では、第一に患者さんが通いやすい立地を目指しました。オフィスの立ち並ぶ日本橋は仕事帰りにも通いやすく、クリニックを受診する時間的・心理的な障壁を取り除けることを期待しています。

系列クリニックである、サルスクリニック武蔵境(2021年5月 開院)でもそれは変わらず、オフィス街の真ん中であり、住宅街も近くにある武蔵境駅前に建っています。

心理的な障壁を和らげる工夫として、院内の内装にもこだわりました。カフェに立ち寄るような気軽さでお越しいただけるよう、院内全体を温かみがあり過ごしやすい雰囲気にするよう心がけています。患者さんにはぜひ気軽にお立ち寄りいただき、心や体を整える場所として使っていただきたいですね。

カフェのカウンターのような受付

落ち着いて血圧を測ることができる待合室

また感染症対策として、患者さんに安心して来院いただけるよう、発熱患者さんと健診や慢性疾患の患者さんのクリニックの入り口を分けているところも特徴です。

入り口から診察室まで直通の発熱患者専用口

患者さんに寄り添う

当院では、患者さんの置かれている状況に合わせて対応できる・心に寄り添えるスタッフの育成を心がけており、全てのスタッフが慢性疾患の患者さんに対する心理的なケアに関するトレーニングを受けているのも特徴の1つです。病気を治療する場合、患者さんの病状はもちろんですが、生活背景や価値観、食生活など、さまざまな要素を踏まえて、その方に適した治療を提案することが大切です。そのため、医師・看護師・栄養士がしっかり情報を共有し合い、さまざまな角度から患者さんに情報を提供することに注力しています。

患者さんと一緒に治療を歩んでいくにあたり、患者さんの意見や考え、思っていることなどをしっかり聞くことも大切にしています。ストレスや生活環境、価値観などは今の生活習慣に大きな影響を与えるため、さまざまな観点から相談しながら進めていきます。

また、患者さんによっては病気やそれに伴う事象を受け入れるのに時間がかかる方もいるので、治療プランを考えるうえで、その患者さんがどのくらい自分の病気を受け入れているかということも注視しています。たとえば、同じ治療を受けている患者さんでも、治療のある生活にすぐ慣れる方もいれば、いつまでもストレスを抱えてしまう方もいます。中には治療が進むプロセスでうつ病などを発症してしまうこともあるため、心理的なケアも大事にしながら、 “病気に対する受け入れ”についても、指標を作って各スタッフで共有し、患者さんの受け入れ度合いに応じて生活指導などをオーダーメイドに進めています。

診療の継続性を高めるために

働き盛りの患者さんの中には、忙しく定期的な病院の受診が困難な方もいます。そこで、私たちは忙しい患者さんにも継続して治療を受けていただけるよう、さまざまな工夫を行っています。

その1つが、インターネット回線や電話などを利用したオンライン診療です。初診時は来院いただく必要がありますが、2回目以降は病状に応じてうまくオンライン診療を取り入れることによって、できるだけ来院回数を削減できるよう工夫しています。また必要に応じて、オンラインで栄養指導を行うこともあります。

そのほか、患者さんに病気や治療に関する理解を深めていただくため、クリニックで作成した病気に関する記事を受診時に紙面などでお渡ししたり、インターネット上で作成した情報を共有したりすることもあります。今後は、アプリやインターネットも上手く利用し、よりリアルタイムな情報共有や情報提供も行っていく予定です。口頭では説明しきれない病気や治療に関する細かい知識を共有できるほか、診療以外でも正しい医療情報に触れていただくことで、患者さんの診療の継続性を高めることが期待できます。

患者さんに寄り添った医療を目指して

忙しい生活を送っていると、どうしても自分の体の健康のために時間を使うことは難しいものです。生活習慣病を抱えていても、漫然と治療薬を飲むだけで生活の改善にまで至れない方は少なくないのではないでしょうか。

私たちは、さまざまな患者さんが病気、もしくはそのリスクを持ちながらも生活と治療を両立して、“未来に続く今”をよりよく歩んでいけるよう、治療の提供はもちろん、さまざまな角度から患者さんを支え、サポートしていきたいと思います。

※サルスクリニックの健康診断について、詳しくはこちらをご覧ください。

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