血液検査のアルブミンとは? 異常値を示したとき考えられる原因とは

この記事のポイント

  1. アルブミンは血液中に水分を保持する役割を持つタンパク質のこと
  2. 血液検査のアルブミンの基準値は3.9g/dL以上
  3. アルブミンが低くなる原因は、肝臓や腎臓の障害、低栄養など

健康診断の血液検査の項目で目にするアルブミン。アルブミンの異常値を指摘され、何かの病気なのではないかと不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。本記事ではそもそもアルブミンとはどのようなものなのか、また異常値が出たときに考えられる原因や病気などについて解説します。

アルブミンとは?

アルブミンとは、血液中に100種類以上存在しているタンパク質(総タンパク)のうち、もっとも多くを占める(約60%)タンパク質のことです。血液検査の項目では、”Alb”(Albumin)と記載されることもあります。

アルブミンの主なはたらきは、血液中の水分をとどめて血管内の浸透圧を維持したり、血管内の物質の運搬や保持をしたりすることです。そのため、何らかの原因で血液中のアルブミン量が低下すると、血管の外に水分が漏れ出てしまいます。これによって、全身のむくみ、腹水や胸水(お腹や胸に水がたまること)などの症状を引き起こします。

アルブミンの基準値

公益社団法人 日本人間ドック学会の判定基準によると、アルブミンの基準値は3.9g/dL以上とされています。また、3.7〜3.8g/dLは要注意、3.6g/dL以下は異常値とされます。

アルブミンが異常値を示す原因は?

アルブミンが基準値より低くなり異常値を示した場合、いくつかの原因が考えられます。ここではアルブミンが異常値を示す主な原因について解説します。

肝硬変や肝臓がん

アルブミンはほとんどが肝臓で産生されています。そのため、肝臓の機能に何らかの異常があると、アルブミンが十分に産生されず、アルブミン値が低下します。肝臓の機能が低下する病気として、肝硬変や肝臓がんなどが疑われます。特に3.5g/dL以下の場合には注意が必要です。

*肝硬変:肝臓の慢性的な炎症(B型・C型肝炎ウイルスやアルコール性や非アルコール性の脂肪肝などによるもの)によって徐々に肝臓が硬くなった状態。

ネフローゼ症候群

何らかの原因によって腎臓に異常が生じていると、本来ならば排出されないはずのアルブミンが尿として排出されてしまい、血液中のアルブミンが少なくなってしまいます。このような状態をネフローゼ症候群といいます。アルブミン値が3.0g/dL以下で、尿タンパク(尿中のタンパク量)が3.5g/日以上持続している場合には、ネフローゼ症候群と診断されます。ネフローゼ症候群の特徴的な症状は、むくみや尿の泡立ちなどです。

低栄養

アルブミンの低下は、栄養状態が悪い場合にも起こります。特に食事量が少なくなる高齢の方は低栄養状態になりやすく、筋肉量の低下による骨折リスクの増加、免疫力の低下、認知機能の低下などのさまざまな健康障害を引き起こします。

自覚症状を感じにくいため、健康診断で体重減少やBMI(体格指数)の低下がみられた場合には注意が必要です。血液検査では、アルブミンのほか、HDL(善玉)コレステロールやヘモグロビン**の低下もみられるようになります。

また食事摂取量減少だけでなく感染症などの炎症状態や、心臓病などの急性疾患、体液量過剰状態なども低栄養に似た病態となることがあります。

*HDL(善玉)コレステロール:血管に付着した余分なコレステロールを回収する役割を持つ。基準値は40mg/dL。

**ヘモグロビン:赤血球にあり酸素を運搬する役割を持つ。基準値は男性13.7〜16.8g/dL、女性11.6〜14.8g/dL。

アルブミンの異常値を指摘されたなど、心配なことがあればご相談ください

血液検査の結果、アルブミンの異常値を指摘され不安な場合には、サルスクリニックまでご相談ください。当院では、診断結果を分かりやすくお伝えできるよう心がけております。またサルスクリニックでは、検診・健診から診療までをワンストップで行っており、予約や決済はスマートフォンで可能です。再診以降はオンライン診療もご利用いただけます。

病気があってもなくても楽しく生きていけるよう、私たちがサポートしていきます。もしご自身の健康のことで気がかりなことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。