糖質制限中はカロリーを気にしなくてよいの? ~糖質制限中の摂取カロリーの目安を解説 ~

この記事のポイント

  1. 糖質制限中も、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないよう配慮が必要
  2. 糖質制限中の摂取カロリーは女性:1,400~2,000kcal以下、男性:2,000~2,400kcal以下が目安
  3. 糖尿病の患者さんは自己判断で糖質制限を行うことはせず、医師や管理栄養士に相談する

糖質制限とは、糖質を含む食べ物(お米、パン、麺などの穀類、いも類、くだもの類、砂糖類など)の摂取量を制限する減量方法です。昨今は“ロカボ”とも呼ばれる緩やかな糖質制限の概念も生まれ、その場合は低糖質のパンやスイーツも口にすることができます。

それでは、糖質制限中は糖質さえ取らなければ、摂取カロリーのことは気にしなくてもよいのでしょうか。本記事では、糖質制限中の摂取カロリーの目安や糖質制限の仕組みについて解説します。

糖質制限中は摂取カロリーも気にするべき?

結論からいうと、糖質制限中も摂取カロリーには配慮が必要です。糖質制限中に糖質以外の栄養素(たんぱく質や脂質など)が含まれる食品を取りすぎると、一日の摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまいます。かえって太ってしまう可能性があるため注意しましょう。

通常、1日の活動に必要となるエネルギー量(消費カロリー)は、活動量の少ない成人の場合、女性で1,400~2,000kca程度、男性の場合で2,000~2,400kcal程度といわれています。

なお、1日の消費カロリーは、性別や年齢、日々の運動量により異なります。自身の消費カロリーを詳しく知りたい方は、医師や管理栄養士に相談してみるのがおすすめです。

糖質制限で減量が期待できる仕組みとは?

糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素のことで、体や脳の活動に欠かせないエネルギー源になります。一方で糖質を過剰に摂取して、カロリーの摂取量が消費量を上回ると余分な糖質が脂肪として蓄積され、肥満につながるとされています。

そこで、糖質を抑えて摂取カロリーを減らし、消費カロリーを上回らせることで減量を目指すのが糖質制限の仕組みです。

さらに、炭水化物(糖質)を取りすぎると血糖値が通常より高くなるため、体内のインスリン(血糖値を下げるはたらきのあるホルモン)がいつもより多く分泌されます。インスリンは余った糖質を中性脂肪などにしてため込む性質があるため、糖質を制限することで結果的にインスリンの分泌量も抑えられ、痩せやすい体につながると考えられています。

治療としての糖質制限

比較的新しい概念である糖質制限は、日本ではまだ安全性と有効性が確認できていないとされています。そのため、糖尿病患者さんの減量方法としては、目標体重などから摂取カロリーを設定するカロリー制限が主流です。

無理なく安全に継続し、定期的に結果を確認するためにも、糖尿病の食事療法に関しては自己判断で行わずに医師や管理栄養士と相談のうえで行いましょう。

カロリー制限とは? 

カロリー制限とは、文字どおり食事による摂取カロリーを抑える方法です。カロリーとは、身体活動や生命機能の維持に使われるエネルギーを表す単位です。

カロリー摂取量が消費量を上回れば体重は増え、消費量が摂取量を上回れば体重は減るため、目標体重などから割り出された1日の摂取カロリーを守って食事をします。1日の食事で取る栄養素の比率の目安は炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%、脂質20~30%で、カロリー摂取量の半分以上を炭水化物から取り、エネルギー量の高い脂質を控えるのが原則とされています。

糖質制限中も摂取カロリーには注意が必要

糖質制限中も、摂取カロリーへの配慮は必要です。糖質を含む食品以外を取りすぎで、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように気を付けましょう。

また糖質制限は、効果や安全性に関する研究がいまだ少ない段階です。特に糖尿病患者さんにおいては自己判断で制限を行うことはせず、医師や管理栄養士の指導のもとで食事療法に取り組みましょう。

サルスクリニックでは、病気やそのリスクがあっても、患者さんが病気とともに楽しく生きられるようサポートしています。管理栄養士も在籍しているので具体的な食事指導も可能。無理なく継続できる食事療法をサポートします。

また、検査・健診と診療をワンストップで行っており、食事療法の結果の把握にも役立てることができます。予約も決済もスマホで可能なので、まずはお気軽に受診してください。

※サルスクリニックの検査・健診(保険適用外)について、詳しくはこちらをご覧ください。

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