フレイルとは?
フレイルは加齢によって筋力と身体機能、さらには精神的にも衰え、社会的なつながりも薄くなってしまう状態で、健康な状態と介護が必要な状態の中間を指します。放置すると要介護状態へ移行してしまう一方、適切に対応すれば健康な状態に戻ることも可能な時期です。
筋力低下などの身体的な衰えだけを指すサルコペニアとは異なり、認知症やうつなどの精神的・心理的な衰え、独居や経済的困窮などの社会的な変化という多面的な問題を抱えている状態も指すことが特徴です。フレイルの状態になると病気にかかりやすくなったり、病気やけがをきっかけに寝たきりになったりすることもあります。
フレイルの診断基準は?
フレイルの診断方法として、一般的に使用されているものにCHS基準(The Cardiovascular Health Study)と呼ばれるものがあります。これを日本の高齢者に合った指標に修正したものが、日本版CHS基準(J-CHS基準)です。
日本版CHS基準
体重減少
6か月で2~3kg以上の意図しない体重減少があった
筋力低下
握力が男性で26kg未満、女性で18kg未満
疲労感
ここ2週間以内にわけもなく疲れたような感じがする
歩行速度
通常歩行速度が毎秒1.0m未満
身体活動
1週間の内で一度も軽い運動や体操、スポーツをしていない
これら5項目のうち1~2つ当てはまればプレフレイル(フレイル予備軍)、3つ以上に当てはまればフレイルと診断されます。
自分でできるフレイル対策
フレイルの予防には、栄養バランスのよい食事と適度な運動、社会参加を意識することが大切です。
食事
食事は筋肉を作るたんぱく質をはじめ、さまざまな栄養素をバランスよく取ることを心がけましょう。
1日3食、主食、主菜、副菜をそろえて多くの種類の食品を食べることが大切です。
また、口周りの筋肉が衰えると食欲が低下しフレイルを加速させることにつながります。よく噛んで食べることもフレイル予防の1つです。
運動
筋力の低下は身体能力の低下につながります。筋力を維持するために、日頃から適度な運動を行うことが大切です。
ウォーキングなどの有酸素運動やスクワットなど自分の重さを使った筋肉トレーニング(レジスタンス運動)など、まずは無理のない範囲で行ってみましょう。
社会参加
さまざまな不安やストレスを解消して安心して暮らしていくためには、孤独にならずに人とのつながりを保つことが大切です。特に活動目的が明確で、参加者の間で上下関係が生じない趣味やスポーツ、ボランティアなどの活動に参加することはフレイル予防に効果的だとされています。
包括的なケアを受ける
先ほども説明したように、フレイルの原因には身体的な衰えだけではなく、認知機能の低下や独居による社会的孤立などの問題も含まれます。そのため、心身をケアする医師や食事をサポートする栄養士、生活の困りごとについて解決策を考える社会福祉士など、さまざまな専門家が連携し、高齢者やその家族に対して包括的なケアを行うことが必要です。自分や家族がフレイルなのではないかと心配な方は、まずはクリニックへ相談することをおすすめします。
フレイルかも? と思ったら早めにクリニックへ相談を
フレイルは適切に介入できれば健康な状態に戻ることが期待できます。そのためにも大切なのは早期発見です。少しでも自分や家族に不安なことがあれば、専門の医療機関へ相談してください。
また、オーラルフレイルといわれる、口の内の環境不良や入れ歯の不適合、う歯(むし歯)などが原因で食事の摂取量が減ってしまうことで口腔能力が低下した状態がフレイルの入り口となる場合もあります。
そのほか、低栄養になる原因が体だけでなく心の中に隠れていることもありますし、飲んでいる薬が引き起こす場合もあります。そのため、包括的に相談できる医療機関への受診もご検討ください。
日本橋、武蔵境、有明にあるサルスクリニックは、駅近の通いやすい立地とカフェのような院内でくつろいで受診いただけます。管理栄養士が常駐しているので、フレイルの診断後は患者さんそれぞれに合わせた食事メニューを提案し、継続をサポートいたします。
また、各種検査や健診も行っていますので、治療の結果を定期的に確認できるほか、定期的な健診でサルコペニアやフレイルの兆候の有無もお伝えできます。
サルスクリニックでは、たとえ病気であっても患者さんがその人らしく生活できるようにサポートします。ぜひ一度、お気軽にご相談にお越しください。
※サルスクリニックの健康診断について、詳しくはこちらをご覧ください。