総コレステロールが高いとどうなる? ~脂質異常症との関連や原因・基準値もご紹介~

この記事のポイント

  1. 総コレステロールが高いと脂質異常症という病気の可能性がある
  2. 脂質異常症になると、時に命に関わる病気に発展することも
  3. 総コレステロールの数値だけで判断せずに、ほかの数値も併せて確認することが大切
  4. 総コレステロールの数値が気になるときは病院へ

血液検査でわかる総コレステロール値は、主に「脂質異常症」と呼ばれる病気を診断するための参考値として用いられます。基準値は血液1dlにつき128~219mgといわれています。総コレステロールが基準値よりも高い場合、どのような原因やリスクがあるのでしょうか。

このページでは総コレステロールの数値の見方や、その他確認したい検査項目についてご紹介します。

総コレステロールが高いとどうなる?

総コレステロールが高い場合、「脂質異常症」が疑われ、放置すると命に関わる状態になる可能性があります。しかし、脂質異常症は総コレステロールの数値だけでは確定診断できません。ほかの項目の数値もあわせて確認することが大切です。

以下ではまず、脂質異常症とはどんな病気なのかご紹介します。

脂質異常症とは?

脂質異常症は、以前は「高脂血症」と呼ばれていました。コレステロールや中性脂肪などの脂質の代謝に異常が生じる病気です。具体的な自覚症状はほとんどありません。しかし、放置すると血管が弾力性を失う「動脈硬化」が促進され、脳梗塞のうこうそくや心筋梗塞といった命に関わる病気に発展する恐れがあります。

脂質異常症の多くは食べすぎや食事バランスの偏り、運動不足など生活習慣が原因であるといわれています。一方、生活習慣に関係なく遺伝的に脂質異常症にかかりやすい方もいるため、気になる数値が出たときは医療機関を受診することが大切です。

脂質異常症の診断にはほかの数値も重要

先述の通り、脂質異常症を診断するためには総コレステロールだけでなく、HDL(善玉)コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪など脂質に関するさまざまな数値を総合的に確認することが大切です。そもそも総コレステロール値とは、HDL・LDLなどさまざまなコレステロールをあわせた数値であり、その数値だけで血液中のコレステロールのバランスを正しく知ることはできません。

以下では、脂質異常症の診断に関わる血液検査の数値と基準値についてご紹介します。

HDL(善玉)コレステロール――40mg/dl未満で脂質異常症と診断

HDLコレステロールとは増えすぎたコレステロールを取り除き、動脈硬化を抑える効果を持つコレステロールです。善玉コレステロール、HDL-Cなどと表記されることもあります。

コレステロール値といえば「高いと問題がある」というイメージを持つ方も少なくないでしょう。しかしHDLコレステロールに限っては、基準値を下回る場合のほうが要注意です。基準値は血液1dlにつき40~96mgで、40mgより低いと脂質異常症と診断されます。LDLとHDLの比率(L/H比、動脈硬化指数)がより重要となります。(一般的に1.5~2以下が望ましいとされています)

LDL(悪玉)コレステロール――140mg/dl以上で脂質異常症と診断

LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を持つコレステロールです。しかし、増えすぎると動脈硬化を引き起こす恐れがあります。悪玉、LDL-Cなどと表記されることもあります。

悪玉コレステロールの基準値は血液1dlにつき70~139mgで、140mg以上の高い値になると脂質異常症と診断されます。

目標値は基礎疾患や家族歴などのリスク因子にもよりますので、数値の目標値に関しては主治医の先生にご確認ください。

中性脂肪――150mg/dl以上で脂質異常症と診断

中性脂肪は体を動かすときのエネルギー源として使われたり、体温を一定に保ったりする役割を持つ脂質です。しかし、増えすぎると肥満や生活習慣病の引き起こすほか、コレステロール同様動脈硬化の原因になることもあります。トリグリセライド、TGなどと表記されることもあります。

中性脂肪の基準値は血液1dlに対し30~149mgで、150mg以上になると脂質異常症と診断されます。

総コレステロールが高いときは?

「総コレステロール」には、多い状態の方が望ましい善玉コレステロールの値も含まれるため、総コレステロール値が高いというだけで脂質異常症の診断はできません。害となるコレステロールの量だけを知るために、「non-HDLコレステロール値」という指標を使うこともあります。これは次のような式によって算出されます。

nonHDLコレステロール = 総コレステロール - HDLコレステロール

150mg/dL未満であれば正常値ですので問題ありません。異常値となってしまっている場合は医療機関で相談することをおすすめします。詳細な検査をすることはもちろん、原因に合わせて食事や運動など生活習慣の改善や、必要であれば薬物療法なども用いて、より効率よく安全な治療ができるでしょう。

総コレステロールが高いときはサルスクリニックへご相談を

サルスクリニックでは、健康診断から診察までをワンストップで実施し、健康診断で異常が現れた場合には検査や治療に速やかに結びつけます。また、ほかの医療機関で健康診断を受けた場合でも、結果をお持ちいただければ気になる数値の説明やより詳しい検査の実施も可能です。

脂質異常症のような生活習慣病の改善に必要な食生活の見直しなども、医師だけではなく管理栄養士が在籍しているため、より具体的なサポートが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

※サルスクリニックの健康診断について、詳しくはこちらをご覧ください。

フローティングバナー フローティングバナー