脳出血の急性期治療後に放置するリスクとは?
脳出血を含めた脳卒中は、年間再発率が5~10%と再発しやすい病気といわれています。脳出血の症状が落ち着いたからといって放置すると再発のリスクがあるため、基本的には薬物療法を続ける必要があります。
また脳卒中では、突然意識を失って倒れたり、言葉がうまく発せなくなったり、強い頭痛や吐き気、めまいが生じたりと多彩な症状が現れます。このような症状がみられた場合には、速やかに救急車を呼びましょう。
脳出血の主な原因である高血圧などを根本的に解決するためには、生活習慣を改善することが重要です。さらに、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残った場合は、継続的な治療とリハビリテーション(以下、リハビリ)が必要となります。
脳出血の治療とは?
脳出血の基本的な治療は薬物療法です。状態に応じて血圧を下げる薬や止血剤、脳のむくみを取る薬などを主に点滴で投与し、血圧や体温、脈拍といった全身状態も管理します。出血が多い場合は手術で頭の骨をはずし、血の塊を取り除くこともあります。
こうした治療をした後も再発予防のためには薬を飲み続ける必要があります。「薬が飲みづらい」「薬が多すぎて面倒」「もう元気になった」と思っても自己判断で服薬を止めるのは危険です。必ず医師の処方どおり服薬を続け、不安なことや分からないことがあれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
脳出血のリハビリとは?
日常生活や仕事に復帰するためには、発症直後からリハビリを行うことが重要です。退院後も症状や障害に応じてリハビリを継続します。リハビリの内容は大きく分けて、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の3つです。
理学療法では、主に立ち上がりや歩行の訓練などで動作能力の回復を目指し、足の麻痺などを改善します。作業療法では、手の麻痺や高次脳機能障害(記憶や注意力などの障害)に対する訓練を行っていきます。
聞く・話す・読む・書くなどのコミュニケーション活動や食事(飲み込み)に障害のある方は、言語聴覚療法で言葉の訓練や食べ物を飲み込む訓練を行います。
社会復帰にはメンタルケアも大切
職場復帰を含め、日常生活に戻るなかでは不安や緊張、焦りから心が不安定になりがちです。
特に後遺症がある場合は、以前の自分とのギャップに悩んでメンタルヘルスに不調をきたすことがあります。仕事復帰直後のみならず、数か月経ってからそのような状態に陥ることもあるため注意が必要です。家族や職場の人のほか、かかりつけ医やカウンセラーなど、気軽に相談できる相手や環境を作っておくと安心です。
生活習慣改善で再発防止
脳出血の再発を防ぐためには、原因となるリスクを取り除くことが大切です。生活習慣を改善することで脳出血の原因の大半を締める高血圧や動脈硬化を予防することができます。
減塩と適切なカロリー摂取を心がけ、栄養バランスを考えた食事を意識しましょう。脂肪分を取りすぎないことも大切です。また、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を1日30分~1時間、週3回以上行うとよいとされています。そのほか、禁煙などの習慣を改善することも重要です。
生活習慣の改善は、一人ひとりに適した方法があります。無理なく継続していくためにも、管理栄養士などの専門家の力を借りることがすすめられます。さらに、定期的な検査で自分の体の状態を把握することも大切です。
脳出血発症後は継続的な治療とリハビリ、生活習慣の改善で再発予防を!
脳出血の発症後は、症状が治まっても再発を予防するために継続的な服薬や生活習慣の改善、必要に応じたリハビリが大切です。薬を自己判断で止めたり、治ったからと放置したりせずに通院を続けましょう。
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