心不全の末期症状とはどんな状態? ~呼吸困難や痛みのほか、不安や抑うつが現れることもある~

この記事のポイント

  1. 心不全の末期症状では、呼吸困難、痛み、体のだるさ、不安、抑うつ、死への恐怖などの症状が現れることがある
  2. 通常の心不全と同様に症状を改善するための治療はもちろん、症状を緩和するための治療が検討される
  3. 心不全の進行を防ぐためには、継続的な治療や生活習慣の改善が大切

心不全とは、心臓のはたらきが悪くなることによって、むくみや息切れなどさまざまな症状が現れる病気です。心不全は完全に治ることはほとんどなく、治療を受けていても悪化と改善を繰り返しながら進行していくことが一般的です。進行すると入院を繰り返すようになる方もおり、命に関わることもあります。

このページでは末期の心不全ではどのような症状が現れるか、進行した心不全に対してどのような治療が行われるのかについてご紹介します。

末期の心不全とはどんな状態?

まず、末期の心不全の状態について理解しましょう。

心不全では、心不全に対して適切な治療が行われているにもかかわらず、強い症状が現れ、点滴治療や入院が度々必要になる場合などに末期の心不全と判断されます。末期の心不全まで進行した場合は、治療だけでなく心や体のつらさを和らげる“緩和ケア”が検討されることもあります。ただし、慢性心不全の場合は、増悪による入院を繰り返しながら最後には急速に悪くなってしまうため、判断が難しいといわれています。

心不全の末期症状とは?

末期の心不全では、安静にしていてもさまざまな症状がみられることがあります。以下では、心不全の末期症状としてよくみられるものをご紹介します。

心不全の主な末期症状

  • 呼吸困難(息が苦しい、空気をうまく吸えないなど)
  • 胸などの痛み
  • 体のだるさ
  • 不安
  • 気分の落ち込み
  • 死への恐怖など精神的な苦痛

など

末期の心不全の治療法

末期の心不全の治療では、通常の心不全と同様の薬物療法が検討されるほか、適応がある場合には植込み型補助人工心臓を入れたり、心臓移植を行ったりすることが検討されます。

また、進行した心不全では、全身に腎不全や肺炎などの合併症が現れたり、強い末期症状が現れたりすることもあるため、合併症の管理や症状の緩和を目指した治療が検討されることもあります。

末期の心不全で検討される緩和ケアとは

緩和ケアとは、病気に伴う体や気持ちのつらさや苦しみを和らげるための医療やケアのことです。末期の心不全では、末期症状を緩和することを目的にした薬の使用が検討されることがあります。たとえば、呼吸困難や痛みに対しては、薬物療法として時にモルヒネなどの医療用麻薬の使用が検討されることもあります。また、不安や抑うつに対しては抗不安薬や抗うつ薬の処方、カウンセリングなどが検討されます。

心不全と診断されたら――定期的に医療機関を受診

心不全は一度かかると完全に治すということが難しい病気です。また進行すると、肉体的な症状だけでなく精神面にも症状が現れることがあります。すでに心不全と診断されている方は、進行を防ぐためにも医療機関の受診を継続し、治療や生活習慣の改善を習慣化するよう心がけましょう。

また気になる症状などがあれば、医師や医療従事者へ相談し、1人で抱え込まないようにすることが大切です。

心不全のことならサルスクリニックへご相談ください

サルスクリニックは、患者さんが病気とともに楽しく生きられるようサポートするクリニックです。心不全のように長く付き合っていく必要のある病気でも、患者さんが自分らしく生きていけるようサポートを行います。

当院では通いやすいクリニックを目指し、平日夜や土日祝日にも診療を行っています。また初診以降はオンライン診療が可能な場合もありますので、忙しい方でも受診を継続しやすいことが特徴です。また医師だけでなく、管理栄養士が在籍しているので、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合った無理のない生活習慣の改善を提案します。受診の予約・決済はスマートフォンから簡単に行えますので、まずはお気軽にご相談ください。

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