「これってアレルギー?」と思ったら ~アレルギーの検査方法をご紹介!

この記事のポイント

  1. 血液検査で、さまざまなものに対するアレルギーの有無を確認できる
  2. 花粉症の症状の強さは患者さんの自己申告で決まる
  3. アレルギー症状の出やすさは遺伝やアレルゲンの曝露量と関係あり

「アレルギーかな?」と思ったら、自分で判断するのではなく、できれば医療機関にかかってください。アレルギーは原因や症状の出方も人によってさまざまです。自分に合った治療方法を見つけるためにも、まずは「本当にアレルギーなのか」「原因となっている物質は何なのか」を探る必要があります。

今回はアレルギーの検査方法と、アレルギー反応を起こしやすいのはどのような人なのかについてご紹介します。

アレルギーの検査

アレルギー検査には、アレルギーか否かを調べるものと、抗原(アレルギー反応を引き起こす原因物質)が何なのかを特定する検査があります。『鼻アレルギー診療ガイドライン』によると、前者は問診や鼻腔内の観察によってアレルギー性鼻炎の典型的な症状が見られる場合、特別な検査をせず臨床的にアレルギー性鼻炎と診断しても良いことになっています。一方、アレルギーの原因物質を正確に探るために血液検査を行うことがあります。

特異的IgE検査

アレルギーの原因物質を調べる血液検査です。血中のIgE抗体を測定することで、アレルギー反応の原因を特定します。花粉のみならず動物や食べ物なども含め、代表的なアレルゲン物質について一気に調べられるため、最もよく実施されている検査方法のひとつです。具体的な項目は以下のとおりです。

ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ、マラセチア、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ゴキブリ、ガ、ラテックス、卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、大豆、米、ソバ、ピーナッツ、ゴマ、エビ、カニ、リンゴ、キウイ、バナナ、サバ、サケ、マグロ、牛肉、鶏肉、豚肉(39項目)

また、抗体の量を数値化して確認できます。0~6の段階で、0が陰性、1が偽陰性、2以上が陽性となります。しかし、高い数値が出たからといって必ずしもアレルギーを発症するとは限りません。また、症状の強さを一概に表すものでもありません。あくまで臨床症状を含めた総合判断にて診断がなされます。

花粉症の重症度チェック

花粉症の重症度は患者さんの申告によって決まります。鼻水をかむ回数とくしゃみが生じる回数、鼻づまりは口呼吸の回数で診断されます。

鼻水とくしゃみは密接に関わるので、まとめて「鼻水・くしゃみ型」、鼻づまりが他の症状より強いと「鼻づまり型」、3つの症状が同様に強いと「充全型」と分類されます。
以下の記事ではそれぞれの型における効果的な薬選びのポイントを解説しております。


以下の質問が判断基準となります。花粉症の方は自分がどこに当てはまるか、チェックしてみてください。

①1日に平均何回くしゃみ発作が起きますか?
 □ 21回以上(レベル5)
 □ 20~11回(レベル4)
 □ 10~6回(レベル3)
 □ 5~1回(レベル2)
 □ 1回未満(レベル1)

②1日に平均何回鼻をかみますか?
 □ 21回以上(レベル5)
 □ 20~11回(レベル4)
 □ 10~6回(レベル3)
 □ 5~1回(レベル2)
 □ 1回未満(レベル1)


③鼻づまりの程度はどのくらいですか?
 □ 1日中完全につまっている(レベル5)
 □ 鼻づまりが非常に強く、口呼吸が1日のうち、かなりの時間ある(レベル4)
 □ 鼻づまりが強く、口呼吸が1日のうち、時々ある(レベル3)
 □ 口呼吸はまったくないが、鼻づまりがある(レベル2)
 □ レベル2未満(レベル1)

その他の検査方法

  • プリックテスト(皮膚刺激試験)
    アレルゲンを含む液体を一滴腕に乗せた後、専用の細い針で点状の傷をつけてアレルゲンを皮膚に入れて、15〜20分後に赤みや腫れが出るかを確認します。反応が出た場合、そのアレルゲンに対するアレルギーが疑われます。複数のアレルゲンに対して同時に実施でき、すぐに結果が分かるため、特異的IgE検査に次いでよく実施されている検査方法です。
  • パッチテスト
    皮膚にアレルゲンを含むパッチを貼り、48〜72時間後に皮膚の反応を確認します。
  • 鼻プロボケーションテスト
    疑われるアレルゲンを直接鼻に吸入させ、反応を観察します。
  • 鼻粘膜誘発テスト
    原因と考えられる花粉エキスがしみ込んだ紙を鼻の粘膜に貼り付け、反応をみます。

アレルギー性鼻炎になりやすいのはどんな人?

アレルギー症状が出やすい体質の人とはどんな人なのでしょうか。一般的には以下の事柄との関連が深いと言われています。

  1. 遺伝的要因
    親や兄弟姉妹がアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息など)を持っている場合、その他のアレルギーのリスクも上がります。
  2. 環境的要因
    アレルゲンの曝露量が多いと発症しやすくなります。
  3. 喫煙
    アレルギー反応を増強する可能性があるとされています。
  4. 年齢
    アレルギーは小児期に発症することが多く、成長と共に症状が軽くなることもありますが、大人になってから発症するケースもあります。高齢になってからは、生活環境が大きく変わること(ペットを飼い始めるなど)がなければ発症のリスクは低いです。

花粉症になりやすい人とは?

季節性アレルギー性鼻炎の代表である花粉症について、具体例をご紹介します。
花粉症の発症背景には遺伝や体質が関わっています。4,371名の小児(0~16歳)を対象とした調査では、 「両親ともに花粉症」の場合、子供も花粉症である確率が 「両親ともに花粉症ではない」場合と比較して、約3.7倍という結果となっています。

また、居住地も影響を与えます。スギ花粉症で比較すると、北海道は冷涼な気候のため杉の生育が難しく自然分布が少ないこと、沖縄県では亜熱帯気候のため山間部には杉の植林が見られるものの本州と比べ分布が少ないことが分かっています。2019年に実施された調査では、各都道府県別平均のスギ花粉症有病率が38.8%に対し、北海道は5.6%、沖縄は8.6%と有意に低い結果となりました。一方杉の植林が多い山梨県では、65.0%と有意に高い結果となっております。
アレルギー発症にはアレルゲンの曝露量が重要なため、分布が地域により異なるスギ花粉の場合、居住地による発症率の違いにつながるということです。

花粉症の基礎知識や治療については以下の記事でもご紹介しています。

ダニアレルギーになりやすい人とは?

通年性アレルギー性鼻炎の代表格であるダニにアレルギー反応を持つ方は、他のアレルギー素因を持っていることが多く、ある調査では、花粉やカビ、猫などにアレルギーがある患者さんのうち8割は、ダニに対してもアレルギーを持っているという結果が出ています。また、気管支喘息をお持ちの方はダニアレルギーを併発しやすいことがわかっています。

お困りの方は検査をしましょう

現時点でアレルギーがひとつでもある方、家族にアレルギー体質の人が多い方などは、今後、生活環境や生活スタイルが変わったときや、密かに体内に蓄積されてきたIgE抗体の量が長年のアレルゲン曝露によって許容量を超えたときに、突然発症する恐れがあります。今はスギ花粉症の症状が全くなくても、血中の抗体量が多ければスギ花粉の飛散シーズンにはマスクをするよう心がけたり、ペットを飼う前にアレルギーがないか調べたりすることで、今後の生活のQOLを維持するために重要な予防となります。
サルスクリニックでは、特異的IgE検査がいつでも受けられます。気になる方はぜひ、お気軽にご相談ください。

参考文献

浦長瀬 昌宏『通院してもちっとも治らないアレルギー性鼻炎を本気で治す!  -最新治療から費用・期間までスッキリ分かる-』,時事通信出版局,2017.3

日本アレルギー学会.”アレルギーについて 花粉症”.アレルギーポータル. https://allergyportal.jp/knowledge/hay-fever.(参照 2023-10-02)

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「鼻アレルギー診療ガイドライン」,http://www.jiaio.umin.jp/common/pdf/GL20030330.pdf

高岡 正敏『お父さん、お母さんが知っておきたいダニとアレルギーの話』東京 あさ出版、2021.11、221p

フローティングバナー フローティングバナー