タンパク尿を放置するリスクとは? ~糖尿病や高血圧などによって腎機能が低下する恐れも~

この記事のポイント

  1. 腎臓の病気は早期には自覚症状がほとんどない
  2. 尿タンパクの数値の異常を治療せず放置すると、慢性腎臓病が進行して腎不全になる恐れが
  3. タンパク尿が出ている場合には早めに医療機関を受診して
  4. 腎臓の病気の発症要因となる糖尿病や高血圧がある方は定期的に検査を受けて

尿検査の一項目にある尿タンパク。検査の結果、尿タンパクの数値に異常があった場合には、タンパク質が多く含まれる尿(タンパク尿)が出ていると考えられます。

今回は、タンパク尿が出る原因や治療せずに放置するリスクを中心に解説します。

タンパク尿はどんなときに出る?

タンパク尿は、尿中に一定量以上のタンパク質が出てしまっている状態です。タンパク尿が出る原因は一時的な生理的な現象である場合と、腎臓に何らかの病気がある場合や糖尿病などの病気によって腎機能が低下している場合があります。

なお、腎臓の障害や腎機能の低下が慢性的に続いている状態を慢性腎臓病(CKD)と呼びます。

慢性腎臓病とはどのような病気?

何らかの原因で腎機能の低下や腎臓に障害がある状態が3か月以上続いている病態を総称して慢性腎臓病といいます。日本人では、成人の8人に1人が慢性腎臓病を患っているとされています。

慢性腎臓病は腎臓の慢性的な炎症だけでなく、糖尿病や高血圧などの全身の病気によっても発症します。

慢性腎臓病の症状――どんな症状が出たら慢性腎臓病を疑うべき?

初期の慢性腎臓病では自覚症状はほとんどありません。進行するとむくみ、倦怠感けんたいかん、息切れなどの症状がみられます。これらの症状が現れたときには病気がかなり進行していると考えてよいでしょう。

慢性腎臓病の治療

慢性腎臓病は、ある程度進行すると元の状態に戻すことは難しいとされています。だからこそ、早期発見・早期治療が重要な病気といえるでしょう。

原因によっても治療法は異なりますが、病気の進行を遅らせるために運動不足の解消や禁煙といった生活習慣の改善をはじめ食事療法や薬物治療などを総合的に行っていきます。特に食事療法は、専門の知識を有する医師や管理栄養士の指導の下で行うことが大切です。

タンパク尿を放置するリスクとは?

タンパク尿を放置することは慢性腎臓病を進行させることになりかねません。慢性腎臓病が進行して腎不全となると、通常であれば体外に排出される老廃物が体内に蓄積されます。その状態のままでは、呼吸困難や心不全といった命にかかわる症状を引き起こす恐れがあるため、透析治療や腎臓移植などの腎代替療法を受ける必要があります。

慢性腎臓病はほとんどの場合、初期には自覚症状がありません。そのため、尿検査や血液検査で腎機能の低下や腎臓に障害がないかを健康診断などで定期的に検査することが大切です。特に糖尿病や高血圧といった基礎疾患のある方は、これらの検査を積極的に受けていただきたいと思います。

タンパク尿が出ている場合は放置せずにすぐ受診を

腎臓に何らかの異常があったとしても初期には自覚症状がほとんどないため、尿検査や血液検査などによって病気の早期発見につなげることが重要です。また、慢性腎臓病などの病気が見つかった場合には、生活習慣の改善や食事療法をはじめとする複数の治療法を組み合わせて患者さんに応じた治療を行う必要があります。

サルスクリニックでは検診・健診と診療をワンストップで行っているため、検査から治療までをきめ細やかに対応することが可能です。健康診断で尿タンパクの数値の異常を指摘されたことがある方や腎機能が気になる方はぜひお気軽に受診ください。

※サルスクリニックの健康診断についてはこちらをご覧ください。

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