肥満

肥満で気を付けたい食事のポイントとは? ~食事療法で健康的かつ持続可能な減量を目指しましょう~

この記事のポイント

  1. 自身の状態にあった減量目標を立てましょう
  2. 無理な食事制限は禁物!ストレスが少ない治療を目指しましょう
  3. 自己流ではなく専門家と一緒に計画を立て普段の食事を改善することが大切

「肥満」とは、体に必要以上の脂肪が溜まっている状態のことを指します。現在はBMI(体格指数)が基準に用いられ、BMI25以上が肥満と診断されます。
肥満はほかの病気より軽く捉えられる方が多くいらっしゃいますが、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病、そして脳卒中、心疾患などの動脈硬化性疾患を引き起こす危険性を持っています。しっかりと自身の肥満度を認識し、改善していくことが大切です。

今回は、肥満の食事療法についてご紹介します。

減量目標の設定方法

ただ食事の管理をするだけでは、減量へのモチベーションを保つことは難しいです。そのため、しっかりと目標体重を設定することが重要です。しかし、高すぎる目標の設定は無理な食事制限につながってしまうので注意が必要です。はじめの目標は、「これ以上体重を増やさないようにすること」です。まずは現段階の体重をキープすることからはじめましょう。体重をキープできるようになったら、減量の目標を決めましょう。
肥満症と診断された方は、現体重の3%以上の減量目標を設定します。高度肥満症と診断された方は、現体重の5~10%の減量目標を設定します。(合併する健康障害をお持ちの方はそれに応じて減量目標を設定します。)
肥満と診断された方は、「体重を5%減らす」ことが適切です。
最終的な減量目標は大きいかもしれませんが、体重を1%減らすだけでも改善されますので続けられる減量が大切です。

食生活の改善

食生活を改善するために、管理栄養士などの専門家と一緒になって無理のない目標を設定することが大切です。食生活を改善し、食事量や運動量を意識して、より健康を意識した生活を送ることができると良いでしょう。

食生活の改善を図るために以下の三つのポイントを抑えましょう。

①食べたくなるきっかけを把握する

どんな食べ物をいつ頃食べているのかを把握しましょう。食べるきっかけを知るには、食べたものや食べた場所、食べる頻度、食べたときの感情を数日間記録することが効果的です。たとえば、昼や夜の特定の時間帯に過度な食事が多かったり、お気に入りのファストフード店の前を通ると何かを食べたくなってしまったり、コンビニで飲み物を買うついでにお菓子を買っていたりなど、自分でも意識していなかった食事や嗜好の癖が見えてきます。どれくらい甘いものを食べているのか、どんな時に食事量が多いのかなども把握することで、事前にきっかけを回避することにつながるのです。

②食事の仕方に気を付ける

食事の中で気をつけられる方法として、以下のような方法があります。

  • 食事に使うお皿を小さくする。
  • ゆっくり食べることを意識する。
  • 食事にカラフルな(白以外の)食材を増やす。
  • 食間に小腹が空いたときのために、刻んだ生野菜や果物、ナッツ類などのヘルシーなスナックを常備しておく。

食品の種類は、体重の増減に大きくかかわってくるので注意が必要です。全粒粉、果物、野菜、ナッツ類、ヨーグルトは体重の減量・維持に関係し、フライドポテトやチップス、砂糖入り飲料、赤身の肉や加工肉などの食品は体重の増加に関係します。そのため、無理な食事制限を回避するためにも、間食で食べるものを工夫すると良いでしょう。

③ご褒美を決める

より良い食生活を身につけるには、減量した自分をただ褒めるのではなく、不健康な食生活を健康的な食生活に変えられた自分にご褒美を与えることが良いでしょう。しかし、食べ物をご褒美にするのではなく、新しい洋服や欲しかった物を買ったり、美容院やネイル、マッサージなど、自分の気持ちが高まるものを購入したり、リラックスできることをしたり、目標と達成後のご褒美を設定することもモチベーションを保つには有効です。

どんなものを食べればいいの?

すべての人に共通した最適な減量方法はありません。しかし、より良い食生活を身につけ、それを続けることができれば必ず減量につながります。
厳しい食事制限をおこなえば、体重はすぐに減るかもしれません。一方、無理な制限は長く続かないため、やめたとたんに体重が元に戻りやすくなります。ですから、無理に制限したり、いきなり厳しい目標を立てるのではなく、自分の好きな食べ物を含んだ食事で無理のない計画を立てることが大切なのです。

治療を長く続けるために

食生活を変えるだけでなく、減量をサポートしてくれる周囲の人を探したり、ストレスを軽減したり、誘惑に負けない心を身につけることも大切です。

周囲のサポート

自身の減量目標や食生活の改善目標を友人や家族に知らせ、サポートをしてもらいましょう。また、身の回りに食生活を変えたいと思う方や体重を減らしたいと思っている人がいたら、「一緒にがんばろう!」という気持ちで目標に向けた努力を続けましょう。

食の誘惑に負けないように

健康的な食生活を維持することが脅かされるような状況はできる限り避けましょう。しかし、すべての状況を避けることは難しいため、食べ物の誘惑に負けないような強い心を持つこともときには必要です。例えば、パーティーや飲み会などに誘われたときは、アルコールを控えてみたり、出された食事をすべて食べきらずに少量つまむ程度にしましょう。外食が増えないよう、出かける前に食事を済ませたり、低カロリーのスナックやカロリーオフの飲み物を持っていくなど、工夫をしてみても良いかもしれません。

ネガティブになりすぎない

予定外にケーキを食べてしまった場合、「もうだめだ、ダイエットが台無しだ!」と思ってしまうと心に負担がかかりますし、食生活を改善することが嫌になってしまいます。もし、ルールを破りケーキを食べてしまっても「ケーキを食べてしまったから、軌道修正するために何かしよう!」 と考えてみてください。このようなポジティブなアプローチによって長く食事療法を続けることができます。

ストレスを減らそう

ストレスは日常生活の一部ですが、人によっては不健康な食生活を誘発することがあります。ストレスを感じ、つい食べたい衝動にかられたときには、ストレスから一時的に逃れられるようなリラックスできる場所に身をおいたり、深呼吸をしてリラックスした状態を作るなど、食事での発散をしないよう工夫をしてみましょう。

肥満を改善する食事についてはサルスクリニックにご相談を

肥満を改善するための食生活の改善はそう簡単なものではありません。健康的でしっかりと持続ができ、かつ過度の制限のない計画を立てることは難しいものです。体重を減らすことができても、ダイエットが終わるとすぐに体重が戻ってしまうことがほとんどです。体重を長期間維持することはとても難しいので、減量を始める前にできるだけ多くの情報とサポートを得ることが重要です。
食生活の改善と肥満の改善は簡単ではありませんが、適切な目標を設定してそれを実行すれば必ず成功につながります。無理なく長期的に続けていくためにも、まずはクリニックで医師や管理栄養士によるアドバイスを受けてみましょう。
サルスクリニックには、管理栄養士が常駐しているので、ライフスタイルや嗜好などに合わせた食事指導の実施はもちろん、その継続もサポートいたします。ぜひ一度お越しください。

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