生活習慣病の予防は健診から!メタボリックシンドロームと特定健診・特定保健指導

この記事のポイント

  1. メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査は40歳以上75歳未満の医療保険加入者が対象!
  2. 特定健康診査(特定健診)の結果で生活習慣病の発症リスクが高い方に対して特定保健指導が実施され、3~5%減量の目標値と行動計画を決める!
  3. 特定保健指導の対象者になったら医師・保健師・管理栄養士などのサポートを受けて食生活や運動の見直しを!

健康診断を受けて加入されている健康保険組合から「あなたは特定保健指導の対象者になりました」と案内がきて驚かれることがあった方もいるのではないでしょうか。メタボリックシンドロームとは、特定健診・特定保健指導とは何か、メタボリックシンドロームの基準、また特定保健指導ではどんなことを実施するのかを、このコラムではお話します。

メタボリックシンドロームと特定健診・特定保健指導

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は内臓脂肪だけでなく、高血圧・高血糖・脂質異常が集積した状態のことで心疾患や脳卒中のリスクが高く、自覚症状がないうちに動脈硬化が進行する危険性があります。
内臓脂肪を減少させると発症リスクが低くなることが見込まれ、対策を行えば医療費の削減にもつながると考えられたこともあり、2008年4月より特定健康診査(特定健診)が始まりました。
この健診は生活習慣病予防のために、対象者(40歳以上、74歳未満)の医療保険加入者におこなわれ、結果より、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による予防効果が高く期待できる、メタボリックシンドローム及び予備軍の方は、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)から生活習慣を見直すサポート「特定保健指導」を受けてもらうことが目的となっています。

 

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドロームの診断基準を見てみましょう。

  • 腹囲(おへそ周り) 男性85cm以上、女性90cm以上

  • 下記1~3のうち、2つ以上該当

・血糖:空腹時血糖110mg/dl以上

・脂質:中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満

・血圧:収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上

※なお、特定保健指導対象者の選定では、上記にBMI、質問項目(喫煙、服薬歴)が追加されるほか、血糖の基準値は空腹時血糖100mg/dlまたはヘモグロビンA1c5.6%以上となります。

 

特定保健指導の内容

特定保健指導は段階的な3つの支援レベルに分類されており、健診後には個々の患者さんに合わせて行動目標を設定し内臓脂肪の削減を実行できるようサポートします。支援レベルの区分は以下になります。

①情報提供

本格的な特定保健指導より一歩手前のステップですが、健診結果の見方や生活習慣病に関する基本的な知識など、患者さん自身の身体の状態・変化を把握し、生活習慣の重要性を見直すきっかけとなるような情報提供をおこないます(情報提供書の送付)。

②動機づけ支援

生活習慣の改善を促すため、原則1回の面談で行動計画を作成し生活改善に取り組めるようサポートします。約6ヶ月後の実績評価は面談、電話、メールなどの通信手段で行われ、身体状況や生活習慣の変化を評価します。

③積極的支援

面談で行動計画を作成し、内臓脂肪の削減に向けて積極的に働きかけをします。運動や食事など生活習慣との関係を理解してもらい、自分で生活習慣の改善を実行できるように計画を立て、3~6ヵ月にわたり定期的に複数回の支援を実施します。この支援はポイント制が設けられており、合計180ポイント以上の実施で終了です。

また、保険者によっては、その他腎症などの支援が行われることもあります。
最近では、重症化予防の観点からメタボリックシンドロームに当てはまらない場合でも、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などのリスクがある人への支援がなされることもあります。

 

特定保健指導終了者の声 ー55歳男性Kさんの場合ー

特定保健指導コース 積極的支援 6か月 

  • 開始時の体重 82.4kg  腹囲 92cm
  • 終了時の体重 78.0kg 腹囲 88cm
  • 結果 -4.4kg 腹囲 -4cm

特定保健指導を受ける前は?

体重は82.4kgでした。検査数値も年々悪化していましたが、自覚症状がないため気にしていませんでした。その頃は夕食後にアイスやお煎餅、菓子パンも食べていました。
運動習慣はなく体重を測定したこともありませんでした。

【特定保健指導を受けたきっかけは?】

利用券と通知が届いて面談をするか迷っていましたが、管理栄養士さんから「このままの生活を続けると生活習慣病になる可能性があり、3kg痩せると身体が変わりますよ。」と言われ「3kgぐらいならできるかな」と軽い気持ちで受けました。

【保健指導を開始しKさんの立てた目標は?】

自分の健康状態や生活習慣病の怖さ、生活習慣を改善する方法などについて教えていただきました。その中で驚いたことがあります。自分が食べていたおやつのカロリーです。1日のおやつが、食事1食分の カロリー(約600kcal)だったとは知りませんでした。自分が改善できそうな生活習慣を3つ挙げて、実践目標としました。

  • 目標①夜食をやめる(アイス、菓子パン、お煎餅) 
  • 目標②駅までの通勤を自転車から徒歩にする 
  • 目標③体重の測定と記録をする

取り組んで1週間くらいで体重が減り始めました。体重が減ると嬉しくてまた取り組みを続けました。1ヶ月後には管理栄養士さんから連絡があって目標を実践していること、減量していることを報告すると自分のことのように喜んでくれました。体重が減らない時期もありましたが継続的なサポートを受け、妻も協力してくれて、リバウンドせず今に至っています。

【保健指導を終えて】

体重は78kgになりました。腹囲も4センチ減りました。空腹時血糖、コレステロール値も改善しました。最初は辛かったです。でも挫折しそうなときも管理栄養士さんに生活習慣をじっくり聞いてもらい、無理のないストレスの溜まらない長期的な取り組みを一緒に考えてもらうことができました。今も体重測定を続けて行動計画も実施しています。検査値も良くなりましたが、身体も軽くなり体調も良くなりました。1サイズ下のズボンが履けるようになったことも嬉しいです。

 

生活習慣病が気になったら…

まずは健診結果で身体の状態を知り、生活習慣との関連を理解しましょう。特定保健指導の対象者になった場合には、一人ひとりに合わせたセルフケアができるよう生活習慣を見直すためのアドバイスが受けられます。内臓脂肪削減に向けた食事改善や運動方法を専門のスタッフ(医師、保健師、管理栄養士など)と共に考えることができるので、一人で頑張らず、健康的な生活を手に入れるためにぜひ保健指導を活用しましょう。

 

サルスクリニックには常に管理栄養士がいます!

サルスクリニックには医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。食生活だけでなく、ご職業や、運動といった生活習慣などの背景を踏まえ、実行できる内容を患者様と共に考え、その継続をサポートします。特定健康診断を受けられて、再検査の指示があった方、特定保健指導を受けたけど継続してライフスタイルの相談がしたいなどありましたら、お気軽にご相談ください。

※現在一部の特定、指定された共済、健保の対象者の方のみ、特定健康診断と特定保健指導をサルスクリニックで受けることができます。特定健診の対象者は、年に1回受診し、必要に応じて指導を受けなければいけません。健診は加入されている保険者が実施しますので、詳しくは健保組合やお勤め先などにご確認ください。

 

 

 

【参考文献】

・標準的な健診・保健指導 プログラム (令和6年度版), 令和6年4月, 厚生労働省 健康局
厚生労働省HP:特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準, https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa9603&dataType=0&pageNo=1
厚生労働省HP:生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/