栄養コントロール食とは
エネルギーや糖質、塩分、脂質などのバランスが整えられた食事のことを栄養コントロール食といいます。
全体的な栄養バランスが整えられた食事だけではなく、ある特定の栄養素が調整されている場合もあります。いわゆるエネルギーコントロール食、塩分コントロール食などと表されるものです。
病院では各疾患に合わせて、エネルギー、脂質、タンパク質、塩分、ミネラルなどの栄養成分が調整された食事を提供しています。
現在は冷凍や冷蔵、レトルトなど、多種多様な栄養コントロール食があり、自宅でも食べることができます。オンラインなどで手軽に購入できるようになったこともあり、より身近な食事になっています。
栄養コントロール食の選び方
前述したように、栄養コントロール食の種類はとても豊富になってきています。
また、冷蔵・冷凍などの温度の違いだけではなく、単品料理か弁当タイプかなどの内容の違いもあるため何が自分に合っているのか決定するのが難しくなっています。
では、どのように選べば良いのでしょうか。
ライフスタイルをもとに考えていくと決めやすい方が多いようです。
例として2つ挙げてみましょう。
Aタイプ
- 体重の増加が気になっている
- 仕事で帰宅時間が読めず、遅い日も多い
- 自炊する時間がない
- 一人暮らしで食材をダメにしがち
このような方の場合、夕食に冷凍の弁当タイプ(主食なし、おかずのみ)をお選びいただくのがおすすめです。
冷凍であれば保存がききますし、主食なしの弁当タイプを選ぶことで、残業中におにぎり1つ召し上がって帰宅後はおかずだけ!といった調整も可能になります。
Bタイプ
- 高血圧などの疾患があり塩分制限されている、または、塩分が気になる
- 在宅ワークで昼食は丼ものなど簡単な内容で済ませがち
- 冷凍庫は空きがない
- 料理は得意ではないがご飯は炊くようにしている
このような方の場合、昼食に塩分コントロールされたレトルトタイプをお選びいただくと合いそうです。
レトルトも種類が豊富で、ご飯にかけるタイプのもの、メイン料理になるものなどさまざまなものがあります。例えば普段、昼食に市販のレトルトカレーを使用しているのであれば、塩分コントロールされたレトルトカレーにすることで半分程度まで簡単に減塩することができます。
冷凍食品って実は…!
栄養コントロール食でもよく見られる冷凍食品。
あまり良い印象をお持ちでない方も多いのではないでしょうか。
最近では、コンビニでも惣菜、冷凍野菜・果物まで様々な冷凍食品を目にする機会が増えました。実は冷凍食品には以下のようなメリットがあります。
①衛生的
冷凍食品は生産から販売まで常に-18℃以下で管理されています。
この温度では食中毒菌が活動できないため衛生的です。
そのため、保存料を使用する必要がありません。
※認められている食品添加物については使用されている場合もあります。
②彩り豊かで栄養価も十分
特殊な技術を用いて-30~40℃で急速に凍結されるため、色が鮮やかに保たれます。
そのため、基本的には着色料は使用されていません。
また、旬の時期に収穫した野菜をすぐに下処理して冷凍しているので、栄養価が落ちず品質も良いものが多いです。
③下処理不要
最適な状態に処理してあるので、多くの野菜などは袋から出してそのまま料理に使用できます。下処理の手間が省けるため、忙しい方でも時短調理が可能です。
必要な量だけ使うことができるのもメリットの一つです。
④保存性
家庭の冷凍庫は頻繁に利用されるため、開閉が多く温度変化が起きやすいですが、それでも購入した冷凍食品は2~3ヶ月もつといわれています。
何か一つでも常備しておけば、買い物に行けないときにも役立ちますね。
栄養コントロール食や冷凍食品の利用は手抜きではなく、ご自身の健康を維持・増進するための一つの方法です。必要に応じて活用していきましょう。
サルスクリニックにはいつも管理栄養士がいます
サルスクリニックには医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。
食生活だけでなく、ライフスタイルやご職業などの背景を踏まえ、実行できる内容を患者様と共に考え、その継続をサポートします。
ご自身の疾患の治療として、栄養コントロール食を使ってみたい、おすすめがあれば知りたいなど何かございましたら、当クリニックの管理栄養士にご相談ください。
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【参考文献】
一般社団法人 日本冷凍食品協会,「冷食オンライン」 https://online.reishokukyo.or.jp/learn/