慢性腎臓病の人が気をつけたい食事のポイントとは?

この記事のポイント

  1. 慢性腎臓病の治療の基本は食事療法
  2. 食事では、塩分・たんぱく質・カロリーなどの摂取量に注意
  3. 具体的な食事内容は慢性腎臓病の進行度によっても変わるので、医師や管理栄養士からアドバイスを受けることが大切

慢性腎臓病の場合、治療の基本は食事の改善です。食事の制限内容は、慢性腎臓病の進行度によって変わります。今回は、慢性腎臓病の食事療法で気をつけたいポイントを紹介します。

慢性腎臓病と食事療法

慢性腎臓病では、病気の進行を抑えることはもちろん、高血圧や糖尿病、脂質異常症など合併している生活習慣病の改善も目的として食事療法を行います。そのため、慢性腎臓病の進行度や合併症、患者さんの年齢や性別などによって食べるべき食品の内容が異なります。

基本はバランスのよい食事を心がけますが、病気が進行すると腎臓へ負担をかけないようにたんぱく質やカリウムなどの制限を開始します。とはいえ、日頃の食事の習慣を変えるのは難しいものです。無理なく続けていくためにも、まずはかかりつけの医師や管理栄養士と相談し、アドバイスを受けながら進めましょう。

慢性腎臓病の進行度によって変わる食事療法

慢性腎臓病の進行度は、腎臓に老廃物を排泄する力がどれくらいあるかを示す推算糸球体濾過量(eGFR)の数値によって、5つのステージ(G1、G2、G3[a・b]、G4、G5)に分かれます。このeGFRは健康診断などで測定する血清クレアチニン値と年齢、性別を考慮して割り出されます。

以下では、進行度ごとに食事で気を付けたいことを解説します。

ステージ1~2の場合

基本的に合併している生活習慣病への食事療法と共通します。たとえば、高血圧があれば減塩、糖尿病なら血糖のコントロールなどです。

基本は、カロリーや塩分を控えたバランスよい食事を心がけ、腎臓に負担のかかりやすいたんぱく質の取りすぎに注意します。

ステージ3~5以降の場合

ステージ3以降では腎機能の低下がみられるため、腎臓病の専門医に相談しつつ管理栄養士のアドバイスなどを受けながら治療を進めることが大切です。

患者さん一人ひとりによって対応が異なりますが、一例としてたんぱく質や塩分、カリウム、リン、水分の制限と十分なエネルギーの補給を意識し、できるだけ腎臓に負担をかけない食事を心がけましょう。

腎臓をいたわる食事のポイント

たんぱく質の制限

たんぱく質を取ると、分解された老廃物が腎臓の“糸球体”という部分に送られ処理されます。ところが腎機能が低下すると糸球体の数が減り、処理能力が低下してしまうと考えられています。それを防ぐため、たんぱく質の摂取量を抑えます。慢性腎臓病患者さんの場合は1日36~42gに抑える必要があり、これは健康な人の摂取量の半分程度です。

減塩

1日6g以下を目標に減塩を行います。腎機能が低下すると、塩分の排泄機能も下がってしまいます。そのため塩分を取りすぎると体に塩や水がたまり、むくみなどにつながります。悪化すれば高血圧や心不全、肺水腫などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。

カロリー摂取

たんぱく質を制限したぶん、減ってしまった摂取カロリーを糖質と脂質で補います。どんな食品で補うのがよいかはそれぞれの患者さんで異なるため、実際に管理栄養士と相談してアドバイスを受けましょう。

その他のポイント

腎機能が低下するとカリウムを排出する機能も下がってしまうため、必要に応じてカリウムの摂取を抑えます(1日あたり1,500mg以下)。カリウムの多い食品としては、バナナやいも類、肉・魚類、牛乳などがあります。

症状に応じて水分・リンなども制限することがありますが、いずれも自分で判断するのではなく、医師や管理栄養士に相談したうえで行いましょう。

慢性腎臓病の人の食事はサルスクリニックへご相談を

慢性腎臓病の進行や合併症予防のためには食事療法が不可欠ですが、実施する場合は医師や管理栄養士によるアドバイスを受けながら進めることが大切です。また、月1回程度の頻度で検査を受けて、食事療法の効果を確認しましょう。

サルスクリニックでは、医師や看護師のほかに管理栄養士も常駐しているので、慢性腎臓病の食事療法について相談できるのはもちろん、たとえ病気であってもその人らしく生活して行けるように治療の継続もサポートいたします。

日本橋と武蔵境にあるクリニックは、どちらも駅に近く通いやすい立地となっています。カフェのような院内でくつろいで受診いただけますので、ぜひ一度お気軽にお越しください。

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