血糖値の上昇を抑える「食物繊維」はどんな食事で取れる?
食物繊維には急激な糖の吸収を抑えてくれるはたらきがあり、日常的に食べる穀物から食物繊維を多く(20g/日以上)取っている人では、そうでない人に比べて糖尿病のリスクが低下することが分かっています。
食物繊維を多く含む食品
以下に、食物繊維を多く含む食品の一覧をご紹介します。
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穀類
大麦(押し麦、もち麦)、玄米、ライ麦粉、オートミール など -
野菜
モロヘイヤ、ごぼう、ブロッコリー、かぼちゃ、たけのこ、にんじん など -
きのこ
えのき、しいたけ、まいたけ、エリンギ、まいたけ など -
豆類
大豆、小豆、いんげん豆、ひよこ豆、えんどう豆 など -
海藻類
まこんぶ、わかめ、きくらげ、ひじき など -
イモ類
さつま芋、じゃが芋、里芋、山芋 など
またこれらの食品に含まれる食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ体に及ぼす影響が異なる可能性があります。(穀類、イモ類は糖質も多い場合があるので食べ過ぎには注意が必要です。)
水溶性食物繊維とは
水に溶けるとゼリー状になる水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えてくれるほか、コレステロールなどを吸着して、体の外に排出することで血中のコレステロール値も下げるはたらきがあります。
不溶性食物繊維とは
水に溶けにくく、水分を吸収して膨らむ不溶性食物繊維は、便のかさを増やしてくれます。便が増えると腸が刺激されるため、お通じがよくなります。
また、水溶性・不溶性のいずれも腸内環境を整える作用が知られていますので、両者をバランスよく取るのがよいでしょう。たとえば、大麦(押し麦、もち麦)、納豆などは水溶性・不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれている食品です。
食物繊維の取り方
食物繊維は20g/日以上摂取することが推奨されています。穀物の食物繊維を中心に、毎日継続的に取るよう心がけましょう。
以下に一部の食材の食物繊維量をご紹介します。
食品に含まれる食物繊維量(100gあたり)の目安の例
- 大麦(押し麦、もち麦)
水溶性食物繊維6g、不溶性食物繊維3.6g、合計9.6g(精白米の約20倍) - 納豆
水溶性食物繊維2.3g、不溶性食物繊維4.4g、合計6.7g - ごぼう
水溶性食物繊維2.3g、不溶性食物繊維3.4g、合計5.7g - えのき
水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維3.5g、合計3.9g
なお生野菜は量を多く取りづらいため、煮る・ゆでるなど調理を工夫して、かさを減らして食べるほうが食物繊維を効率よく摂取できます。
血糖値の上昇を抑える食事―低GI食品
食品に含まれる糖質の吸収度合いを示した“GI”というものもあります。 GIはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、GIの数値が55以下の低GI食品は、血糖値の上昇を抑えるのに有効とされています。
ただし、現時点では糖尿病治療としての食事療法に積極的に取り入れることは推奨されていません。一般に、低GI食品は食物繊維が豊富であることが多く、食物繊維を多くとることは身体にとって良いことですが、食物繊維をあまり含まない低GI食品だとそれほど健康効果はないようです。
低GI食品の例
- 大豆食品
- そば
- さつまいも
- きのこ類
- ヨーグルト
- バナナ
- りんご
など
サルスクリニックでは栄養指導を実施しています
糖尿病の予防や管理に重要な血糖値のコントロールには20g / 日以上の食物繊維の摂取が有効です。具体的な摂取方法や、日頃の食事内容について聞いてみたい方は栄養士に相談してみませんか? 栄養相談を受ける際は普段の食事の写真や食事記録があると、より具体的なアドバイスを受けることができるので、準備しておくとよいでしょう。
日本橋、武蔵境、有明にあるサルスクリニックは、駅近の通いやすい立地とカフェのような院内でくつろいで受診いただけます。管理栄養士が常駐しているので、食事療法について相談できるのはもちろん、患者さんそれぞれに合わせた治療や食事メニューを提案し、継続をサポートいたします。また、各種検査、健診も行っていますので、治療の結果を定期的に確認することが可能です。
サルスクリニックでは、たとえ病気であっても患者さんがその人らしく生活できるようにサポートします。ご自身に合った食事療法についてのご相談などをご希望でしたら、ぜひ一度ご相談ください。
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