糖尿病の入院は拒否できる? ~入院以外の選択肢がある場合も~

この記事のポイント

  1. 糖尿病ではさまざまな目的で入院が提案される
  2. 患者には“自己決定の権利”があり、入院を拒否できる場合もある
  3. 入院が難しい場合には、外来で受けられる治療方法はないか医療機関に相談することも大切

糖尿病にかかると、血糖値などをコントロールするための“教育入院”やインスリン治療を導入する際の入院、強い合併症が現れた際の入院など、さまざまな局面で入院が提案されます。しかし仕事が忙しい、子育てで家を空けられないなど、できれば入院を避けたいと考えている方も少なくありません。このような場合に、入院を拒否することができるのでしょうか?

このページでは、糖尿病で行われる入院の目的や入院以外の治療方法などについてご紹介します。

糖尿病の入院は拒否できる?

通常患者さんには“自己決定の権利”があります。そのため、医師からの説明を聞いたうえで、入院などの治療を拒否することは不可能ではありません。しかし、患者さんに意識がないときや緊急の場合には、患者さんやその代理人から同意があったものと推定して、入院などの医療的介入が行われることがあります。

糖尿病の場合、入院の目的も入院時の患者さんの状態もさまざまです。

たとえば強い合併症が現れた場合には、患者さんの意思に関係なく、入院となることもあります。また入院以外に治療の選択肢がなく、入院しなければ生命に関わるケースもあります。

一方、教育入院やインスリン治療を導入する際の一時的な入院の場合、患者さんの状態によって入院以外の治療方法が検討されることもあります。

教育入院

教育入院とは、血糖値をコントロールすることを目的に行われる入院です。

医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などの医療従事者から、食事療法や運動療法といった具体的な治療方法について詳しく学ぶことができるほか、病気について正しい知識を身につけたうえで以後の治療に臨むことができます。

教育入院の期間は、各医療機関や患者の希望によっても異なりますが、1週間〜1か月程度であることが一般的です。

教育入院が難しい場合は“糖尿病教室”を受講する方法も

“糖尿病教室”とは、入院せず定期的に医療機関に通いながら糖尿病について正しい知識を身につける講習会です。

教育入院同様、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士などさまざまな医療従事者から、糖尿病との付き合い方を学ぶことができます。

糖尿病教室の通院する頻度は医療機関によっても異なりますが、月に1〜2回程度であることが一般的です。

インスリン治療を導入する際の入院

糖尿病では、血糖値を下げるホルモン“インスリン”を直接注射で投与する“インスリン治療”が検討されることがあります。インスリン製剤にはさまざまな種類があり、患者さんの状態に合ったものを使用することが大切です。

またこの治療を始める場合には、患者さんが自身で行う注射の投与方法や、低血糖などの副作用への対処方法、薬剤の保存方法などについても、理解しておく必要があります。

そのためインスリン治療を導入する場合、初回に入院がすすめられることも少なくありません。またインスリン治療導入時の入院と教育入院を併せて行うこともあります。

インスリン治療は入院しないと始められない?

しかし、インスリン治療を導入する際、必ず入院が必要になるとは限りません。患者さんの状況によっては、入院せず通院によってインスリン治療を導入できる可能性もあります。

ただし、通院でインスリン治療を導入する場合、一時的に通院の回数が増える可能性があるほか、入院でインスリン治療を導入するよりも血糖値がコントロールできるようになるまでにやや時間がかかりやすいといわれています。

入院ができない人もまずはサルスクリニックにご相談を

糖尿病は自覚症状がほとんどありませんが、進行すると重大な合併症に発展することもあります。進行を防ぐために、忙しくて入院が難しい方もまずは医療機関に事情を説明し、外来で受けられる治療がないかどうか確認してみましょう。

早期に治療を開始し継続していれば、合併症などを予防でき、結果的に今後の入院リスクを減らせる可能性もあります。

サルスクリニックでは、患者さんが病気とともに楽しく生きられるようサポートします。医師だけでなく管理栄養士も在籍しているため、一人ひとりのライフスタイルにあった生活習慣の改善を提案します。

また、通いやすさを追求し平日夜・土日祝日の診療を行っているほか、初診以降は病状によってオンライン診療を提案することもあります。受診の予約・決済はスマートフォンから行えますので、お気軽にご相談ください。

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