食物繊維を摂りすぎても大丈夫? ~摂取量の目安や摂り過ぎた際の症状を解説~

この記事のポイント

  1. 食物繊維は整腸作用や肥満・高血圧の予防などに効果がある
  2. 摂取目標量に達していない方が多いので、食物繊維が多い食品を積極的に食事に取り入れて
  3. 一方で食物繊維を取りすぎると健康を害する恐れがあるため、取りすぎには注意

食物繊維には腸内環境を整え、便秘を解消するはたらきがあるというのはよく知られています。しかし、食物繊維をどのくらい取るのがよいか知っている方はあまり多くないのではないでしょうか。

本記事では食物繊維のはたらきと過剰摂取の影響を中心に解説します。

食物繊維のはたらきとは?

食物繊維には整腸作用があるため、便秘の改善につながります。またコレステロールやナトリウムを体外に排出するはたらきがあるため、肥満や高血圧の予防にも効果が期待できます。さらに食物繊維には、血糖値の上昇を抑制する作用があることも報告されています。このように食物繊維は健康に欠かすことのできない役割を担っていることから、第6の栄養素ともいわれています。

食物繊維の摂取目標量――食事の工夫で目標量を目指して

1日の食物繊維の摂取目標量は、18~64歳では男性21g以上、女性は18g以上、65歳以上では男性20g以上、女性17g以上となっています。しかし、実際には男女共に全ての年齢区分で摂取量は目標量に達していません。

食物繊維は穀類や野菜、海藻、きのこ類、いも類などの植物性の食品に多く含まれています。毎食白米を食べることが多い方は、1日のうち1食だけでも食物繊維が豊富なライ麦パンやオートミールなどに主食を変えてみると摂取目標量に近づくことができるかもしれません。また、特に切り干し大根やひじき、きくらげといった乾物は食物繊維が多いため、これらを使った副菜を1品追加で作ってみるのもよいでしょう。

手軽に食物繊維を取るといった点では、おやつ代わりのドライフルーツやナッツ、納豆、きな粉やオートミールなどもおすすめです。ご自身の志向やライフスタイルに合ったものを選んでみてください。

食物繊維の取りすぎは注意すべき?

現代の日本人の食生活においては、食物繊維を取りすぎる心配はあまりないと考えられます。しかし、極端に多くの食物繊維を取ったり、食物繊維が含まれるサプリメントを過剰に摂取したりすると健康の妨げになる影響が体に出るため、目標量を目安に食物繊維を食事に取り入れるとよいでしょう。

以下では食物繊維を取りすぎると現れる可能性がある症状を紹介します。

お腹がさらに張る

便や水分がたまってお腹が張っている方は、特に水に溶けない不溶性食物繊維をたくさん取ると、腸内の便の量がさらに増えてお腹の張りが増したり、腹痛を起こしたりする可能性があります。したがって、便秘だからといって食物繊維を取ればよいというわけではないことはご理解いただきたいです。

ミネラルの吸収を妨げる

カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの吸収を妨げることがあります。ミネラルは体内でつくることができない栄養素です。食事からきちんと吸収できなくなってしまうと免疫力の低下や貧血につながるため注意が必要です。

下痢や軟便になる

食物繊維を多量に摂取すると、下痢や軟便になる恐れがあります。下痢は体に必要なミネラルなどを体外へと排出してしまうため、取りすぎには気を付けましょう。

食物繊維の摂取目標量を目指して食生活の見直しをしてみて

食物繊維は便秘解消をはじめ、さまざまな健康につながる栄養素でありながら、現代の日本人に不足しがちです。だからこそ、食物繊維を多く含む食品を普段の食事にうまく取り入れていただきたいと思います。一方で、あまりにも過剰に摂取してしまうと悪影響をもたらす可能性があります。ですから、まずは食物繊維の摂取目標量を目指して普段の食生活の見直しをしてみましょう。

ご自身では、食生活の見直しが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。サルスクリニックには管理栄養士が常駐しており、食物繊維の摂取量についても栄養指導を行うことができます。患者さんのライフスタイルを踏まえて栄養指導を行いますので、食生活の見直しをしたいと考えている方はぜひ一度受診ください。

※サルスクリニックの栄養指導についてはこちらをご覧ください。

フローティングバナー フローティングバナー