急性期を脱したくも膜下出血を放置するリスクとは?
くも膜下出血は、いきなり大出血を起こして昏睡状態になる場合もあれば、風邪と間違うくらいの軽い頭痛で済む場合もあります。また、一度は出血が治まり、命が助かったとしても再出血するリスクがあります。
再出血が起こる割合は発症から24時間以内(特に6時間以内)が多く、1か月以内に30~60%が再出血するといわれています。また、出血を繰り返すごとに病気の経過は悪化し、再出血による死亡率は約50%、再々出血では約80%以上といわれています。
吐き気を伴う頭痛が1~2日持続したり、後述する脳動脈瘤による神経症状が起こったりした場合は、くも膜下出血の前兆と考えられます。心当たりがある場合は放置せず、早急に脳神経外科を受診し、診断を受けたらすぐに治療を始める必要があります。
脳動脈瘤とは?
くも膜下出血の原因の80~90%は脳動脈瘤の破裂といわれています。脳動脈瘤とは、くも膜下腔を通る動脈の壁がこぶのように膨らんだもので、一度破裂して出血した脳動脈瘤は再出血しやすいといわれています。
また、脳動脈瘤はしばしば多発し、未破裂の動脈瘤が存在する場合もあります。最近では、CTやMRIなどの画像診断技術の進歩や脳ドックの普及によって、くも膜下出血に至る前に未破裂動脈瘤が見つかることも増えてきています。そのため、定期的な通院や検査で脳動脈瘤を早期発見することで、くも膜下出血の予防につなげることができます。
脳動脈瘤では、微量の出血やこぶが脳神経を圧迫することによって、物が二重に見えるなどの目の異常や急な頭痛、めまい、吐き気、頭の違和感などが起こることもあります。これらの症状のほとんどは時間の経過とともに治ってしまいますが、くも膜下出血を予防するためにも放置せずに医療機関を受診しましょう。
救急車を呼ぶ基準と受診の目安
くも膜下出血や脳梗塞をはじめとする“脳卒中”では、突然意識を失って倒れたり、言葉がうまく発せなくなったり、強い頭痛や吐き気、めまいが生じたりと多彩な症状が現れます。このような症状がみられた場合には、速やかに救急車を呼びましょう。
脳卒中を疑うような症状のある方を見かけたときは、安全な場所に移動させたうえで衣服を緩め、横向きに寝かせた状態にして救急車を呼びましょう。もし、左右のどちらかに麻痺が生じているのを確認したら、麻痺している半身を上にして横向きに寝かせることが大切です。
また、くも膜下出血の前兆として、数日前から血圧の乱高下が生じることがあります。そのため血圧を継続的に測っている方は、いつもと様子が違うと感じた場合は早めに受診しましょう。
生活習慣改善で再発防止
くも膜下出血を含む脳卒中の予防のためには、原因となる高血圧や動脈硬化を予防することも大切です。それには、食事をはじめとした生活習慣を改善することが重要だとされています。
塩分と脂肪分を抑えて適切なカロリー摂取を心がけ、栄養バランスを考えた食事を意識しましょう。ほかにも、有酸素運動(ウォーキングやサイクリングなど)を1日30分~1時間、週3回以上行ったり、禁煙などの習慣を改善したりすることも大切です。
生活習慣の改善は、一人ひとりに適した方法があります。無理なく継続していくためにも、管理栄養士などの専門家の力を借りることがすすめられます。さらに、定期的な検査で自分の体の状態を把握することも大切です。
くも膜下出血は急性期治療後も放置せずに再発の予防を
くも膜下出血は、放置すると再出血などのリスクがあります。未破裂の脳動脈瘤を早期発見するためにも定期的な検査が大切です。また、くも膜下出血を含む脳卒中の予防のためには、生活習慣を改善して出血の原因となるリスクを取り除くことも重要だとされます。
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在籍する医師や管理栄養士が、食生活などに対するアドバイスを行うことも可能なため、くも膜下出血の再発予防のために生活習慣を改善したいという方は、ぜひ一度受診を検討ください。
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