HbA1cの基準値とは? ~指標となる数値を理解して、糖尿病の早期発見・早期治療につなげよう~

この記事のポイント

  1. HbA1cの基準値とは、特定健診などで用いられる数値
  2. 糖尿病は早期発見・早期治療が重要
  3. HbA1cが6.5%以上であった場合には、速やかに受診を!

特定健診や健康診断のとき、採血項目に含まれるHbA1cヘモグロビン・エーワンシー。何を示す値か分からず、検査結果の見方に困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、HbA1cの基準値についてご説明します。

HbA1cとは?

HbA1cとは、血液中のヘモグロビン(赤血球に含まれるタンパク質)とブドウ糖が結合してできる糖化ヘモグロビンのことです。血液検査でHbA1cを調べるときには、血液の中のヘモグロビン中に含まれる糖化ヘモグロビンの割合を算出します。HbA1cは糖尿病を診断するための指標の1つとして用いられるだけでなく、過去1〜2か月間の平均的な血糖値を表しているため、血糖値のコントロールがうまくいっているかを調べる指標としても使用されます。

HbA1cの基準値とは?

HbA1cの基準値とは、一般的に特定健診や健康診断などに用いられる数値です。HbA1cの値が6.5%以上であった場合には、すでに糖尿病である可能性が高いです。したがって、HbA1cが6.5%以上であった方は、なるべく早く糖尿病の治療を専門的に行っている医療機関を受診し、適切な治療や生活指導を受ける必要があります。

また、HbA1cが5.6~6.4%であった方は、今後糖尿病を発症するリスクや糖尿病の疑いが否定できないため、発症予防の一環として食生活の改善や運動不足の解消といった生活習慣の見直しを行うことが重要です。

生活習慣の見直しは具体的に何をすればよい?

先ほどお伝えしたように、HbA1cを下げるためには食生活の見直しと運動を行っていきます。次では、それぞれについて具体的にご説明します。

食生活の見直し

1日の適切なエネルギー量になるように食事の見直しを行います。適切なエネルギー量は以下の計算式で算出します。

1日の適切なエネルギー量(kcal)=目標体重(kg)(身長(m)×身長(m)×22~25)×エネルギー係数(kcal/kg)

1日の適切なエネルギー量は、身長や体重に加え、年齢や糖尿病の状態、ライフスタイルなどの複数の要素を考慮して決める必要があります。エネルギー係数であれば、1日中座っていることが多い方であれば25~30kcal/kg、立ち仕事が多い方であれば30~35 kcal/kg、運送業などの重労働が多い方であれば35 kcal/kg以上として計算します。

このように、適切なエネルギー量は年齢や糖尿病の状態、活動量などの複数の要素を考慮して算出されます。そのため、糖尿病を専門的に治療している医師が一人ひとりの患者さんに合わせて1日の適切なエネルギー量を決めることが重要です。

具体的な献立の工夫としては、決められたエネルギー量の中でビタミンやミネラル、食物繊維、脂質、たんぱく質といったさまざまな栄養素を食品からバランスよく取り入れることがポイントです。ご自身で食生活を見直すことが難しい場合には、専門知識を有する管理栄養士による栄養指導を受けるのもおすすめです。

運動不足の解消

運動もHbA1cを下げるための1つの方法です。なかでも、有酸素運動と筋力トレーニングをどちらも行うことがより有効とされています。ウォーキングや水泳といった有酸素運動と腕立て伏せや腹筋などの筋力トレーニングに積極的に取り組みましょう。

HbA1cが基準値以上と判定されたら、サルスクリニックへ

糖尿病は脳梗塞のうこうそくなどの重篤な合併症につながる恐れがあるため、早期に発見し早期に治療を開始することが重要です。そのためにも、定期的に特定健診や健康診断を受けましょう。そして、特定健診や健康診断でHbA1cが5.6%以上と判定された場合は医療機関を受診ください。

サルスクリニックでは、糖尿病治療を専門とする医師やスタッフが診断・治療・栄養指導などを行います。また、Web予約やオンライン診療にも対応しておりますので、ぜひ一度ご活用ください。

※サルスクリニックの栄養指導についてはこちらをご覧ください。

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