サルコペニアの原因や症状についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
サルコペニアの兆候はふくらはぎに現れる?
サルコペニアの特徴の1つに、筋肉量の低下が挙げられます。その兆候が分かりやすく現れるのがふくらはぎの太さです。ふくらはぎの筋肉が衰えて過度に痩せ、細くなってしまっていないかを確認することで、サルコペニアのリスクを把握することができます。
ふくらはぎの筋肉量を測るもっとも簡単な方法が“わっかテスト”です。道具を使わずに自分の手だけでできるため、以下の手順を参考にチェックしてみましょう。
わっかテストの方法
- 両手の親指同士、人差し指同士をそれぞれ合わせてわっかを作ります。
- 1. で作ったわっかで、利き足でない方のふくらはぎの一番太い部分を軽く囲んでみましょう。
わっかテストの結果
以下の 1. ~ 3. のどれに当てはまるかでサルコペニアのリスクを判断します。
- 囲めない(両手のわっかよりふくらはぎが太い)
- ちょうど囲める
- 隙間ができる(両手のわっかよりふくらはぎが細い)
3. に近いほど、サルコペニアのリスクが高いとされています。サルコペニアが疑われる場合は医療機関を受診しましょう。
そのほかのサルコペニアのセルフチェック方法
サルコペニアは筋肉量の低下だけでなく、筋力や身体機能の低下がみられます。また発症の要因となる栄養状態、運動量、社会参加度などを見ることで、そのリスクを検討することができます。以下に、その例を紹介します。
開眼片脚立位テスト
足の筋力を測るテストで、以下の手順で実施します。
開眼片脚立位テストの方法
- 滑りにくい床に立ちます。転びそうになったら、つかまれる物のそばで実施しましょう。
- 両手を腰に当て、立ちやすいほうの足で立ちます。
- 片足を床から5cmほど上げ、立っていられる時間を測ります。
どちらか片側で8秒未満となった場合は、筋力が低下している可能性が高いと考えられますので、医療機関に相談してみましょう。
5回立ち座りテスト
こちらも足の筋力を測るテストで、実際の診療現場でも使用されています。
5回立ち座りテストの方法
- 足を肩幅に広げて椅子に座り、両腕を胸の前で組みます。
- できるだけ速く、立ったり座ったりを繰り返し、5往復にかかった時間を測定します。
12秒以上かかった場合、サルコペニアの可能性ありとされています。この場合も医療機関への相談が、すすめられます。
イレブン・チェック
イレブン・チェックはフレイル(加齢による心身の衰弱)の兆候をみるために開発されたチェックリストですが、サルコペニアのセルフチェックにも使用できます。
食事、運動、社会参加に関する11個の質問項目からなり、“はい”か“いいえ”で回答することで簡単にサルコペニアのリスクの有無やその程度をチェックできます。
サルコペニアが疑われる症状
サルコペニアでは日常でみられる症状への着目が早期発見につながる場合もあります。もし以下の症状に覚えがあれば、症状が進む前に医療機関を受診してみましょう。
注意すべき症状
- 横断歩道を青信号で渡りきれないことがあるなど、歩くスピードが落ちた
- 転倒しやすくなった
- ペットボトルやビンの蓋が開けにくいなど、握力が低下した
- ふくらはぎの“やせ” を感じる
- 半年前に比べて体重が減ってきた
など
セルフチェックでふくらはぎが細くなっていたら、すぐに医療機関にご相談を
わっかテストなど、こまめなセルフチェックを行うことでサルコペニアの早期発見・早期治療につながります。また、たとえサルコペニアと診断されても、早いうちに生活習慣の見直しや運動・栄養療法、薬物療法を並行することで改善が可能ですので、ご安心ください。
セルフチェックでサルコペニアのリスクや気になる点があった、または注意すべき症状に覚えがあった方、予防のための運動や栄養療法について相談してみたいと思った方は、ぜひお気軽にお越しください。