食事のバランスについて
三大栄養素のエネルギー比
炭水化物 50~60%
たんぱく質 20%未満
残りを脂質で構成(20~30%)
例えば…
1日の必要エネルギー量1,600kcalの人であれば
炭水化物 800~960kcal → 200~240g
たんぱく質 320kcal → 80g
脂質 320~480kcal → 35~50g
1日3食の場合、1食分の目安は次の通りです。
エネルギー 500~600kcal
炭水化物 およそ60~80g
たんぱく質 およそ25g
脂質 およそ10~15g
コンビニなどで購入できる加工食品は、栄養成分の記載があるため、購入する際は確認するようにしましょう。
主食・主菜・副菜を揃えましょう
栄養成分表示のない家庭料理などでは栄養量を把握しにくいため、おおまかではありますが、主食・主菜・副菜をそれぞれ適量揃えるようにしましょう。
- 主食:体のエネルギー源となる炭水化物を多く含む食品。ご飯、パン、麺類、芋など。
目安量…ご飯100~150g、パン6枚切り1枚~8枚切り2枚、ゆで麺1袋(200g) - 主菜:たんぱく質の供給源となる肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主材料とする料理。
目安量…肉・魚:手の平1枚分、卵1個、納豆1パックまたは豆腐150g - 副菜:野菜、海藻、きのこなどを使った料理。 主に含まれる栄養素は、ビタミン、ミネラル、食物繊維。
目安量…毎食2品 生野菜(両手一杯分)、温野菜(片手一杯分)
こんな食べ方には注意!
早食い
糖質が一気に吸収され、急激な血糖上昇につながります。満腹感も感じにくく、食べ過ぎの原因にもなります。食事は20分以上かけて、ゆっくり食べるのが理想です。
就寝前の食事
寝ている間は血糖値が下がりにくくなり、血糖値が高い状態が続きやすくなります。目安としては就寝3時間前、最低でも2時間前までには食べ終わるようにしましょう。
事前に、夕食の時間が遅くなるとわかっているときは、夕方頃に炭水化物を食べておき、その後はおかずのみにするなどの工夫をしましょう。
糖質の重ね食い
そば・ミニ丼のセット、ラーメン・チャーハンのセットなど、一度に摂る糖質の量が多いと、急激に血糖値が上昇しやすくなります。
食後のデザートにも要注意です。食べてはいけないわけではありませんが、たまにのご褒美にする、食べる量を少なめにするなど、食べ方を工夫しましょう。
また、食後1時間以内の運動で血糖値の上昇を抑えられるため、デザートを食べたあとや、糖質の摂取量が多いときは、食後の運動がおすすめです。
高脂肪食
揚げ物やステーキなど、脂肪分が多く含まれているものを食べると、急激な血糖値上昇はみられませんが、長時間ダラダラと血糖値が高い状態が続きます。
食べ方について
1日3食規則正しく食べる
食事を欠食すると、次の食事で血糖値が上昇しやすくなります。1日3回の食事よりも、1日2回、1回と回数が少ないほど、食後の血糖値は高くなることがわかっています。
朝食をとらない方が多くいますが、昼食後の血糖値上昇を防ぐためにも、朝食を摂る習慣をつけましょう。まずは、手軽に食べられるものから取り入れてみることをおすすめします。朝食には、食物繊維・たんぱく質を含む食品を選ぶようにしましょう。「セカンドミール効果」といって、次の食事後の血糖値上昇をゆるやかにするという効果があるといわれています。
野菜やおかずから食べ、ゆっくりよく噛む
食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで、糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇をゆるやかにすることができます。野菜に限らず、たんぱく質を多く含む主菜を先に食べることで、食後の血糖値上昇が抑えられると報告されています。
また、ゆっくり噛むことによって、血糖値の上昇を抑える効果が得られやすくなり、さらに満腹感を感じやすくなることから、食べ過ぎ防止にもつながります。
食事はおかず(主菜・副菜)からよく噛んで食べ、主食は食事の後半から食べ始めるようにしましょう。
食物繊維を積極的に摂る
前述したように、食物繊維を摂ると食後血糖値の上昇がゆるやかになります。食物繊維は、20g/日以上の摂取が推奨されており、野菜・きのこ・海藻類に多く含まれます。毎食副菜が2品揃うことが理想的です。
野菜をたくさん食べることが難しい方は、食物繊維を多く含んでいる主食に変えてみることもおすすめです。白米に玄米や麦を混ぜて炊いたり、ライ麦や全粒粉のパンを選ぶことによって1食あたり2g程度の食物繊維を補い、効率よく食物繊維をとることができます。
サルスクリニックにはいつも管理栄養士がいます
サルスクリニックには医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。
食生活だけでなく、ライフスタイルやご職業などの背景を踏まえ、実行できる内容を患者さんと共に考え、その継続をサポートします。
【参考文献】
糖尿病診療ガイドライン2019,南江堂,日本糖尿病学会