クレアチニンとは
クレアチニンとは筋肉で作られる老廃物で、筋肉を動かすと発生します。通常の場合、血液中のクレアチニンは腎臓で濾過され、尿として体外に排出されます。しかし、腎臓の機能が低下するとクレアチニンが尿として排出できなくなり、血液中にたまるようになります。そのため、血液検査でクレアチニンの値を調べるのは、腎臓に関する病気の早期発見に役立つのです。
ただし、クレアチニンの値は筋肉量が多い人は高く、少ない人は低くなるため、性別や年齢によって正常な値の範囲が変わることには注意が必要です。
クレアチニンの基準値
クレアチニンの基準値は以下のとおりです。
男性:1.00 mg/dL以下
女性:0.70 mg/dL以下
前述のとおり、筋肉量の多い人はクレアチニンの値が高く、筋肉量の少ない人は低くなりやすいことから、特に若い男性の人などはクレアチニンが高くなりやすい傾向があります。このため、病院やクリニックではeGFR(糸球体濾過量)という計算や尿検査などを行い、総合的に診断していきます。
クレアチニンが高いときに疑われる病気
クレアチニンの値が高い場合は、慢性腎臓病などの腎機能障害が疑われます。腎機能障害の1つである慢性腎臓病(CKD)は心筋梗塞や脳卒中、末期腎不全といった重大な病気の一因となるため注意が必要です。慢性腎臓病を発症する原因としては、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が挙げられます。
腎臓の機能が低下したときの症状
クレアチニンの値が高くなり、腎臓の機能が低下すると以下のような症状が現れることがあります。
- むくみ
- 尿量の異常・夜間尿
- 倦怠感
- 貧血
- かゆみ
また、慢性腎臓病は高血圧を合併症しやすく、高血圧は慢性腎臓病を悪化させる原因となります。血圧が上がっても自覚症状は少ないですが、重症になると頭痛やめまい、肩こりといった症状が現れるケースもあります。
クレアチニンの値が気になる場合は医療機関へ
クレアチニン値の異常を放置していると、慢性腎臓病などの腎機能障害を見逃す可能性があります。腎臓は一度悪くなってしまうと回復が難しいため、病気を早期に発見し、治療を開始することが重要です。
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