高尿酸血症の薬で副作用が出たらすぐに受診を!
尿酸降下薬には、主に“尿酸生成抑制薬”と“尿酸排泄促進薬”の2種類があります。基本的にはどちらも効果と安全性が認められており、高尿酸血症のタイプや合併症の有無などによって適切な薬を選択します。一方で、まれに服薬の副作用が出る可能性もあります。
副作用にはさまざまなものがありますが、特に注意が必要な副作用として中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害などが挙げられます。
ちょっとした違和感や軽い症状が重い副作用の初期症状の場合もあります。気になることがあれば、すみやかに医師へ相談しましょう。
サルスクリニックには高尿酸血症をはじめとした生活習慣病の治療を専門とする医師が多数在籍しています。「高尿酸血症の薬を飲んでいて不安な症状がある」「高尿酸血症の治療を見直したい」という方は、自己判断で服薬を中止する前にまずはお気軽にご相談ください。
尿酸を作るはたらきを抑える薬の副作用
尿酸生成抑制薬は尿酸を作るはたらきを抑える薬です。飲み始めの時期には、痛風発作が起こることがあるため、3か月~半年ほどかけて薬の量を徐々に増やし、尿酸値をゆっくりと下げていきます。
ここでは、アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットといった主な尿酸生成抑制薬の副作用について詳しく解説します。
アロプリノール
アロプリノールの重い副作用として報告されているものは、全身の皮膚が赤くなり、こするとはがれてしまう皮膚症状が起こる“中毒性表皮壊死症”や“スティーブンス・ジョンソン症候群”、炎症によって腎臓の機能が低下する“薬剤性間質性腎炎”などです。
発熱や発疹、関節の痛み、吐き気、嘔吐、下痢や腹痛などの症状が現れた場合は放置せず、すぐに医療機関を受診してください。
また、患者さんの腎機能が低下している場合は副作用のリスクが高まるため、薬の量を減らす必要があります。そのほか、喘息などの呼吸器疾患の薬(テオフィリン)や、血栓を防ぐ薬(ワルファリン)などとの併用には相互作用のリスクがあるので、服用中の方は受診時に必ず医師に相談してください。
フェブキソスタット
フェブキソスタットの副作用には薬剤性肝障害があります。
服薬中に倦怠感や食欲不振、発熱、黄疸、発疹、かゆみ、吐き気、嘔吐などの症状が続く場合は、肝障害が起こっている可能性があるため注意が必要です。そのほか、傾眠(うとうとした状態)、手足のしびれ、ふわふわするようなめまい、腹痛、下痢、関節痛などが起こることもあります。
フェブキソスタットはアロプリノールに比べて併用できる薬が多く、腎機能が低下している場合でも減量せずに飲むことができます。ただし、白血病の薬である“メルカプトプリン水和物”や、免疫抑制剤の“アザチオプリン”と併用すると、骨髄のはたらきが低下するといった副作用が強くなることがあるため、併用が禁止されています。
トピロキソスタット
トピロキソスタットの副作用には、肝機能障害や全身に赤い斑点ができる多形紅斑のリスクが挙げられます。
そのほか、関節痛などが現れることがあります。またフェブキソスタットと同様に、腎機能が低下している場合でも減量せずに飲めますが、こちらもメルカプトプリン水和物やアザチオプリンとの併用は禁止されています。
尿酸の排泄を促す薬の副作用
尿酸降下薬の1種である尿酸排泄促進薬は、尿酸が尿に排泄されるのを促す薬です。
服薬中は、水分をたくさん取ったり、尿アルカリ化薬を飲んだりして尿路結石を予防する必要があります。
ここでは、ベンズブロマロン、ロサルタンカリウム、プロベネシド、ブコロームといった主な尿酸排泄促進薬の副作用について詳しく解説します。
ベンズブロマロン
ベンズブロマロンは、主に高血圧症を合併している患者さんに使われる薬です。
ときには、腎機能が低下している患者さんにも使用されます。副作用としては、肝障害(急性肝不全など)が挙げられるため、特に飲み始めてから半年間は定期的に肝機能検査を行う必要があります。
発熱、倦怠感、食欲不振、悪心や嘔吐、腹痛、下痢、目や皮膚が黄色くなるといった症状が現れた場合はすぐに医師に相談してください。そのほか、発疹、かゆみ、胸やけなどが起こることもあります。
また、アスピリン(解熱鎮痛薬)、ピラジナミド(結核の治療薬)、ワルファリン(血栓症の治療薬)と併用すると体に悪影響を及ぼしたり、ベンズブロマロンの効果が弱くなったりするため、併用したい場合はあらかじめ医師に相談しましょう。
ロサルタンカリウム
ロサルタンカリウムは、高尿酸血症を併発している高血圧患者さんに対して使われる薬です。
重大な副作用として、アナフィラキシー、血管浮腫、急性肝炎や急性肝不全、腎不全、ショック・失神・意識消失、横紋筋融解症、高カリウム血症、不整脈、汎血球減少・白血球減少・血小板減少、低血糖、低ナトリウム血症などが起きることがあります。
また、上記の副作用に関連して、発汗やじんましん、呼吸困難、全身の潮紅、むくみ、顔・口唇・喉・舌などの腫れ、吐き気、嘔吐、筋肉痛、脱力感、手の震え、けいれん、倦怠感、食欲不振などの諸症状が現れることもあるため、注意が必要です。
プロベネシド
プロベネシドは尿酸排泄を促す薬です。
重大な副作用として、溶血性貧血、再生不良性貧血、アナフィラキシー、肝壊死、血液中のタンパクが減ってむくんだ状態のネフローゼ症候群などが起こることがあります。
そのほか、食欲不振、胃の不快感、皮膚炎などが起きる場合もあります。また、ワルファリンやアスピリンをはじめとした併用が難しい薬が多々あるため、服用中の薬がある場合は特に注意が必要です。処方時に必ず医師に相談してください。
ブコローム
ブコロームは、腎臓で尿酸が再吸収されるのを抑える薬です。
主な副作用には、貧血、発疹、胃痛、腹痛、下痢、食欲不振、吐き気、眠気などがあります。
また、重大な副作用として中毒性表皮壊死症が起こることがあります。服用中に高熱や皮膚の広範囲が赤くなる、目が充血するといった場合はこれらの初期症状の可能性があります。
服薬中に気になる症状が出た場合はサルスクリニックにご相談を
高尿酸血症の治療薬は基本的にどれも安全性が保障されています。その一方で、さまざまな副作用がありますが、中でも重大な副作用として中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害などが挙げられます。服用中に気になる症状が出た場合は自己判断で薬を止めたりせず、まずは医師に相談してください。
また、薬の効果や副作用の有無、腎機能の低下がないかなどを確認するため、高尿酸血症の治療薬を飲んでいる間は定期的に血液検査を受けるようにしましょう。
そのほか、別の薬を併用すると副作用が出やすくなったり、薬の効果が弱くなったりすることもあるため、すでに服用している薬がある場合は必ず医師に相談しましょう。
サルスクリニックでは、高尿酸血症の患者さんが治療をしながらも楽しく生活できるようサポートしています。一般的な健診や高尿酸血症に関する血液検査も院内で可能なほか、在籍する医師や管理栄養士が食事療法などに関するアドバイスも行っています。
高尿酸血症は、服薬とともに生活習慣の改善を続けて尿酸値が低い状態を維持できれば、薬を減らしたり、やめられたりすることもあります。まずは気軽に受診を検討していただければと思います。
※サルスクリニックの健康診断(保険適応外)・検査について、詳しくはこちらをご覧ください。