サプリメントって何?~選び方や組み合わせをご紹介~

この記事のポイント

  1. サプリメントは「食品」であり「食事」ではない
  2. サプリメントは食事の補助として栄養補給のために摂るもの
  3. 薬との飲み合わせが悪いものもあるので、治療中の場合は医師への相談が必要

身近なドラックストアなどで見かけるサプリメントですが、何が自分に必要で、どんなことに注意しなければならないのか、あまり知る機会は少ないかと思います。
今回はサプリメントについての基本的な説明と、薬との飲み合わせの注意点、お薦めのサプリメントなどについてご紹介していきます。

サプリメントとは

サプリメントはビタミンやミネラル、たんぱく質、アミノ酸、食物繊維などの栄養素やハーブなどの有効成分を含んでいます。
健康の維持・増進を目的として利用される食品を指すため、医薬品ではなく「食品」として分類されています。

錠剤型、カプセルなどの形状で多く出回っていますが、最近ではグミタイプの商品なども販売されており、間食の一つとして利用されている方もいるようです。

サプリメントの選び方

主成分が同じであってもメーカーによって色や形、大きさ、含有量が違い、一粒あたりに含まれる主成分の量は必ずしも大きさに比例しません。
そのため、一粒にどれだけの量が含まれているのか、自分にとって飲みやすい大きさ・形状かなどを確認することをおすすめします。
パッケージには粒の写真・イラスト(原寸大)や、一粒あたりの含有量、原材料の表示(添加物など)が書かれていることも多いので、購入前にしっかりチェックしましょう。

サプリメントの摂り方

サプリメントは吸収のしやすさを考えると、一般的に食直前・食事中・食直後などに摂ることが薦められています。特に脂溶性のビタミン(A、D、E、K)は空腹時よりも脂肪を含んだ食事と一緒に摂ることで吸収がされやすくなるといわれています。

また、水溶性ビタミンである、ビタミンB群やビタミンCは比較的早く体外へ排出されてしまいますので、指定されている1日量を一度に摂るのではなく、分割して摂ることをおすすめします。タイムリリース型などと呼ばれる、徐々に溶ける製法で作られていれば問題ありません。サプリメントのラベルなどに記載や説明があるので確認しましょう。

サプリメントと薬の注意したい組み合わせ

サプリメントは「食品」とされていますが、薬を服用している方はサプリメントとの飲み合わせについて注意が必要な場合があります。
服用している薬がある場合は、サプリメントの使用を開始する前に、一度医師へ相談しましょう。

飲み合わせの悪い例としては以下のようなものが挙げられます。

降圧薬 ✕ コエンザイムQ10(CoQ10)

コエンザイムQ10は血圧を低下させる可能性があるといわれ、コエンザイムQ10と降圧剤を併用すると血圧が低下しすぎてしまう恐れがあります。降圧剤は、アムロジピンベシル酸塩・ロサンタンカリウム・ジルチアゼム塩酸塩などが例として挙げられます。

糖尿病治療薬 ✕ クロム

クロムは血糖値を低下させる可能性があるといわれているため、クロムと糖尿病治療薬を併用すると血糖値が低下しすぎてしまう恐れがあります。糖尿病治療薬は、メトホルミン塩酸塩・インスリン製剤・グリメピリドなどが例として挙げられます。
また、クロムは単体のサプリメントとしてはあまり販売されていないですが、マルチミネラルなどミネラル成分の一つとして含まれていることが多いので注意しましょう。

なお、薬とサプリメントを併用する場合は、これらの相互作用を避けるために、摂取間隔を30分~1時間程度あけるようにしましょう。

サプリメントはこんな人におすすめ!

では具体的に、どのような人に、どのようなサプリメントがおすすめなのかご紹介していきます。

動脈硬化が気になる方へ

  • ビタミンB群

ビタミンB群、その中でもB6、B12、葉酸が不足すると動脈硬化の危険因子とされている血漿けっしょうホモシステインの濃度が上昇するといわれています。

【ビタミンB6が含まれる食品】
マグロ、カツオ、鶏むね肉、バナナ など

【ビタミンB12が含まれる食品】
レバー、しじみ、牡蠣、牛乳など

【葉酸が含まれる食品】
ほうれん草、ブロッコリー、アスパラ、卵 など

  • EPA・DHA

EPAやDHAは血液中の中性脂肪やコレステロールを減らすといわれています。

【EPA・DHAが含まれる食品】
サバ、アジ、ブリ、イワシ、サンマ など

ストレスが気になる方へ

  • ビタミンC

ビタミンCはストレスホルモンの合成に関わっており、ストレスがかかっていると消耗されやすい栄養素であるため補給がおすすめです。

【ビタミンCが多く含まれる食品】
キウイ・オレンジ・イチゴなどの果物、キャベツ・パプリカ・ブロッコリーなどの野菜、じゃがいも・さつまいもなどのイモ類 など

  • 亜鉛

亜鉛はストレスで合成される「メタロチオネイン」と強く結びついてしまうため、ストレスが多くなると消耗も多くなります。また、亜鉛が豊富に含まれる食材は習慣的に摂取しにくいものが多いため、サプリメントから補うことも一つの方法です。

【亜鉛が多く含まれる食品】
牡蠣、牛肉、うなぎ、レバー、カシューナッツ、玄米 など

腸内細菌が気になる方へ

  • 乳酸菌

悪玉菌の繁殖を抑えて腸内環境を整える乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌を摂ることで、腸内の日和見菌を味方につけることができます。
※日和見菌など菌の種類についてはこちらの記事をご参照ください。

【乳酸菌が多く含まれる食品】
ヨーグルト、チーズ、味噌、キムチ など

サプリメントに悩んだら、ぜひご相談を!

サルスクリニックには医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。食生活だけでなく、ライフスタイルやご職業などの背景を踏まえ、実行できる内容を患者様と共に考え、その継続をサポートします。サプリメントを新たに開始したい方、すでに何種類も飲んでおり整理したい方など何かあればお気軽にご相談ください。

サルスクリニックの栄養指導についてはこちら

 

 

※参考文献
 ・健康食品 サプリメントと医薬品との相互作用時点 第2版(同文書院)
 ・臨床栄養ディクショナリー 改定6版(MCメディカ)

フローティングバナー フローティングバナー