治療後の心筋梗塞を放置するリスクとは?
薬の服用をやめるリスク
心筋梗塞の急性期治療後は、再発のリスクがあります。心筋梗塞は血管の詰まりを解消しても完治したわけではありません。
血が固まるのを防ぐ薬を飲み続けるなど、治療を継続する必要があります。また、ダメージを負った心臓を守るための薬が処方されることもあるため、薬は自己判断でやめずに必ず処方どおりに飲み続けましょう。
生活習慣を改善しないリスク
心筋梗塞は高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や、肥満、喫煙、過度の飲酒などによってリスクが高まるといわれています。再発予防のためには、服薬とともに生活習慣を改善し、心筋梗塞の原因から取り除くことも大切です。
心筋梗塞の予防方法とは?
心筋梗塞は再発率が高いとされる病気のため、継続的な薬の内服と生活習慣の改善によって、再発リスクを下げることが大切です。
薬による予防
心筋梗塞の再発予防には、患者さんの状態や合併症を考慮し、それぞれに適した薬を使います。使用する薬としては、抗血栓薬(血栓予防の薬)や降圧薬(血圧を下げる薬)、脂質異常症治療薬(動脈硬化の原因となるコレステロールを減らす薬)、糖尿病治療薬(血糖値を下げて血管が傷つく原因を排除する薬)などが使われます。
血管や血液に影響する合併症を改善することで心筋梗塞の発症リスクを抑え、血管が詰まるのを防いだり、血栓が生じないようにしたりします。
これらの薬は効果を実感しにくいことから自己判断で服薬を中断しがちですが、基本的には薬を止めると元の状態に戻ってしまうため、自分の判断で中止しないようにしましょう。また、ほかの病気に対する治療のために薬の中止・休止が必要な場合には、必ず事前に医師に相談してください。
生活習慣の改善による予防
心筋梗塞の再発予防では、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病や、肥満といった危険因子を排除することが大切です。そのため、生活習慣の改善を心がけましょう。
生活習慣病を発症している場合は、医療機関による適切な治療を受けましょう。併せて軽いジョギングなどの運動を1回30分以上、週3~4回程度行いましょう。食事は塩分、脂肪分、アルコールの摂取を控え、禁煙することも大切です。
一人ひとりに適した内容を知るためにも、まずは医師や管理栄養士に相談しましょう。
定期的な検査で再発の兆しを見逃さない
心筋梗塞は、動脈硬化によって血液の流れが悪くなり、血栓(血の塊)が冠動脈を塞ぐことで引き起こされます。そのため、治療後も定期的な検査で動脈硬化や血栓の有無、血管の状態も含めて病状が悪化していないか、再発の兆しがないかを確認することが大切です。このような定期検査は、ほかの病気の早期発見や早期治療にもつながります。
心筋梗塞の治療方法とは?
心筋梗塞が生じた際は、冠動脈の詰まりを解消させ、再び詰まらないようにするための治療が検討されます。そのうちの1つが“経皮的冠動脈インターベンション(PCI)”です。
PCIにはさまざまな手段がありますが、中でも近年よく行われるのは“ステント治療”です。血管に“カテーテル”と呼ばれる細い管を挿入し、冠動脈の詰まっている部分まで進めた後、カテーテル先端についたバルーンで詰まった血管を押し広げて“ステント”と呼ばれる金属製の筒を留置することで、再び詰まることのないようにします。
なお、金属製のステントを用いる場合は血栓が付着しやすくなるため、治療後は血栓の形成を防ぐための“抗血小板薬”を長期的に服用する必要があります。
心筋梗塞は治療後も再発予防のために通院を!
心筋梗塞を発症して急性期治療を終えた後は、再発予防のためにも継続した治療と検査が重要です。また、予防のためにも継続的な服薬と同時に、肥満の解消や食事制限など、普段から病気を意識した生活を送る必要があります。病気と上手に付き合っていけるよう、食事や些細な不安点なども相談できる病院に小まめに通院しましょう。
サルスクリニックでは、たとえ病気でもその人らしく、楽しく生きられるようなサポートを行っています。在籍する医師や管理栄養士が食事療法などに関してもアドバイス可能なため、お気軽にご相談ください。
また、各種検診・健診と診療をワンストップで行っており、診断結果も分かりやすく伝えています。予約も決済もスマートフォンで可能なので、お気軽に受診をご検討ください。