尿検査の目的――代表的な項目
体に何らかの異常が起こると、本来なら尿には含まれるはずのないものが混じることがあります。尿検査は尿を採取して詳しく調べることで、このような異常がないかを確認する検査です。尿検査には主に、尿タンパク、尿糖、尿潜血、尿沈渣、尿比重の項目があります。
尿タンパクで分かること
尿タンパクとは、尿の中に含まれるタンパク質のことです。通常、血液中の老廃物が腎臓でろ過されて尿に排出される際、タンパク質などの体に必要な物質はろ過されずに血液中に残ります。しかし、腎臓に何らかの異常があると、タンパク質が尿の中に出てきてしまいます。
尿タンパクが出た場合に疑われる病気としては、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症などが挙げられます。
尿糖で分かること
尿糖とは、尿の中に含まれる糖分のことです。通常、尿から糖が検出されることはありませんが、血糖値が160~180mg/dLくらいまで高くなると、尿の中に糖が出てくることがあります。
糖尿病で尿糖が高くなる場合がありますが、腎性糖尿といって体質的に腎臓が糖を出しやすくなっている場合にも尿糖が陽性になることがあります。腎性糖尿であれば特に治療の必要はありません。
尿沈渣で分かること
尿沈渣とは、尿に存在する赤血球や白血球、上皮細胞、円柱細胞、結晶成分などからなる固形成分のことです。腎臓から尿道までの尿路に何らかの異常があると、これらの成分が尿に含まれることがあります。尿沈渣の検査では、尿を遠心分離器にかけてできた沈殿物を顕微鏡で調べて、尿沈渣の種類や数を確かめます。
尿沈渣の検査で異常が見られた場合に疑われる病気には、腎臓や膀胱、尿道の炎症、ネフローゼ症候群、腎結石などが挙げられます。
尿潜血で分かること
尿潜血は尿に血液が混入していないかを調べる検査です。通常、尿の中に血液が混じることはありませんが、何らかの異常によって腎臓や尿管、膀胱、尿道に出血がある場合に、尿に血液が混入することがあります。尿潜血の検査では、肉眼では確認できない血液を検出することができます。
尿潜血が確認できた場合に疑われる病気は、腎臓や膀胱、尿道の炎症や腫瘍、結石です。そのほか、溶血性貧血などの血液の病気でも尿潜血が陽性となります。
尿比重で分かること
尿にはさまざまな成分が含まれており、これらの成分の量を示したものを尿比重といいます。腎臓は状況によって、成分の多い濃い尿(比重の高い尿)や成分が少ない尿(比重の低い尿)をつくることで、体の水分量を一定に保っています。しかし、腎臓の機能が低下したり、尿の排泄を妨げるホルモン(抗利尿ホルモン)に異常が生じたりすると、尿比重の調整ができなくなり、異常値を示します。
尿比重が高くなる病気には糖尿病やネフローゼ症候群があり、尿比重が低くなる病気には、腎不全や尿崩症があります。
尿検査を受ける際の注意点
ビタミンCは尿検査の結果に影響を与えるため、尿検査の前にはビタミン剤やビタミンが入っているドリンク剤などの摂取は控えるようにしましょう。それ以外の食事や飲み物の制限は特にありません。
また、運動後や立っている状態が続いた後には尿にタンパクが出ることがあるため、自宅で採尿する場合には、朝起きてすぐの尿を採りましょう。病院で採尿する場合には、尿検査前の激しい運動は控えるようにしましょう。
採尿の際には出始めの尿ではなく、少し尿を出して一回止め、その後に出てきた中間尿を採ります。また、生理中の場合は尿潜血が陽性になることがありますので、検査を受ける施設に事前に伝えるようにしましょう。
尿検査の結果に不安があればサルスクリニックにご相談ください
尿検査で異常ありと判定されるなどして何か不安なことがあったりする場合には、ぜひサルスクリニックまでご相談ください。当院では、診断結果を分かりやすくお伝えできるよう心がけております。また当院では、検診・健診から診療までをワンストップで行っており、予約や決済はスマートフォンで可能です。また、再診以降はオンライン診療もご利用いただけます。
病気があってもなくても楽しく生きていけるよう、私たちがサポートしていきます。必要に応じて、生活習慣改善のアドバイスも実施しております。もしご自身の健康のことで気がかりなことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。