白血球の働きは?正常値じゃないとどうなる?
白血球の数値の意味
白血球は血液細胞*のひとつで、身体を細菌やウイルスなどの異物から守る免疫機能を持ちます。感染症(肺炎や虫垂炎など)や血液疾患(白血病や再生不良性貧血など)の病気があると、白血球の数が多くなったり少なくなったりします。血液検査で白血球の数が異常値でないか確認することは、病気の発見・特定にもつながる大切な検査です。
白血球分画というものを測定することもあります。白血球は大きく、「顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)」、「単球」、「リンパ球」に分類できます。それぞれ身体を外敵から守るための役割分担があり、健康なときはこれらの割合のバランスが良好に保たれます。しかし、なんらかの病気にかかるとバランスが崩れてしまいます。白血球分画の測定では、白血球の内訳に異変がないかを調べ、増減がある場合はその変動の仕方からリスクのある病気を探ります。
なお、健康診断では白血球分画が測定されていても特に異常がない場合は、検査結果一覧に記載しないことが多くあります。
*血液細胞には白血球のほか、酸素を運ぶ“赤血球”、出血を止める“血小板”がある。
白血球数の基準値
白血球数の基準値*は3,100~8,400/μLです。ただし白血球数は、同一人物であってもその日の状態や検査のタイミングによって数が変動(個体内変動)することがあります。また、健康な人でも喫煙によって増加したり、ストレスや運動などの一時的な影響によっても増えることがあります。
*公益社団法人 日本人間ドック学会の基準値による
白血球が多い原因
白血球数が増える原因は複数ありますが、代表的な例をいくつかご紹介します。
細菌感染症
肺炎や扁桃炎、虫垂炎などの細菌感染症やそれを原因として起こる敗血症*にかかっていると、白血球(主に好中球)が増加します。
*敗血症:感染症が局所にとどまらずに全身に炎症が及んだ状態
白血病
白血球の著しい増加がみられる場合には白血病の可能性も考えられます。白血病は「血液のがん」と呼ばれる病気で、赤血球や白血球、血小板が骨髄でつくられる過程において異常が生じ、これらの血液細胞ががん化することによって発症します。
白血病は、がん化した細胞が速いスピードで増殖する「急性白血病」とゆっくりと増えていく「慢性白血病」に大きく分類されます。白血球の増加は主に、慢性白血病の一種である「慢性骨髄性白血病」でみられます。
喫煙
タバコを吸う習慣がある方の場合、気管支*に慢性的な炎症を起こしていることから白血球の数が多くなります。
*気管支:空気の通り道である「気管」が肺に入るときに2つに分かれたそれぞれの管
白血球が少ない原因
白血球数が少なくなる原因もいくつかありますが、代表的なものとして以下のような原因が挙げられます。
再生不良性貧血
再生不良性貧血とは血液細胞の元となる造血幹細胞が減少してしまうことで、赤血球や白血球、血小板といった血液細胞が減少する病気です。白血球(好中球)の減少だけでなく、赤血球や血小板の減少がみられることも特徴です。
骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群は造血幹細胞に異常が生じることで、正常に血球が成長しなくなってしまい、赤血球や白血球、血小板の減少を招く病気です。骨髄異形成症候群が進行すると急性骨髄性白血病へと移行することがあります。
薬物アレルギー
適切に薬が投与されているにもかかわらず、まれに異常な薬物反応が起きたときは薬物アレルギーを疑います。薬物アレルギーでは皮膚症状や呼吸器症状が起こる可能性があるほか、血液に障害が生じていると、血液検査で白血球減少や血小板減少、貧血などの所見がみられます。
白血球が減ることは以上の要因以外にも、感染症にかかった際など様々なケースが存在します。
健康診断の結果が気になるときは
健康診断の血液検査の結果に関して不安に思うことがあれば、躊躇わずに医療機関へ相談することをおすすめします。日頃の不調と検査結果を照らし合わせて関連性を検討したり、必要に応じてより詳しい検査を受けたりすることで、病気の早期発見につながることもあります。
サルスクリニックでも健康診断は常時実施可能です。オンライン診療も実施しておりますので、ご自身の健康状態で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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