高尿酸血症を放置するとどうなる?
高尿酸血症を治療せずに放置すると結晶化した尿酸が関節や尿路に沈着し、激痛を伴う痛風や尿路結石症などを引き起こす可能性があります。また、結晶となった尿酸(尿酸塩)が腎臓の深いところに沈着することで間質性腎炎を引き起こし、腎機能低下につながることがあります(痛風腎)。
高血圧や脂質異常症といった生活習慣病を合併している場合もあり、それらの病気が動脈硬化などにつながることもあります。
痛風とは?
本来、体内の尿酸は血中に溶けていますが、高尿酸血症の場合は尿酸の量が多いため、溶けきれなくなったものが結晶化します。
痛風は、この結晶が関節にたまって炎症が生じることで起こる病気で、足の親指などに激しい痛みがでます。長く放置すると痛みが起こる頻度も上がり、痛みが複数の関節に生じるようになります。
尿酸の結晶が腎臓にたまると、痛風腎といった腎臓のはたらきが低下する病気になることもあります。
尿路結石症とは?
結晶化した尿酸が腎臓にたまると結石ができ、背中が痛むことがあります。さらに、結石が尿管や膀胱に移動するとそこで炎症が生じ、激痛が起こります。それぞれを尿管結石症、膀胱結石症といい、合わせて尿路結石症と呼びます。
そのほかの病気のリスク
高尿酸血症の方は、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などを合併している場合が多いといわれています。さらに、メタボリックシンドロームと診断されることもあり、これらは動脈硬化のリスクとなります。
動脈硬化とは、動脈が硬くなり弾力がなくなった状態のことです。血管の内側に沈着物がついたり、血栓ができたりすることで血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクとなります。
高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療は、食生活など生活習慣の改善と薬物療法が基本となります。食事については肥満の改善や予防のために、摂取エネルギーを調節する必要があります。
また、薬を飲んで尿酸値が元に戻っても病気が治ったわけではありません。服用をやめるとすぐに尿酸値が高い状態に戻ってしまうため、自己判断で薬の服用をやめないようにしましょう。
高尿酸血症は治りにくい病気であり、治療を継続することが大切です。さらに、治療の効果を確認するためにも定期的に検査を受けましょう。
生活習慣の改善
尿酸値は特に食事内容に影響を受けます。以下のポイントに注意して、日々の食生活を改善することも大切です。
プリン体が多い食品や高カロリーな食品を取りすぎない
プリン体は体内で分解されると尿酸となります。肉類・魚介類やその内臓、魚の干物などに多く含まれるため、控えましょう。
また、肥満の解消(予防)のためにもカロリーの高い食品に注意しましょう。
お水やお茶を小まめに飲む
お水やお茶などの水分は血中の尿酸を薄め、体外への尿酸の排泄を促進します。ただし、糖分が多いジュースや牛乳、アルコール飲料(特にビールなど)を水の代わりに飲むことは控えましょう。
節酒、禁酒
プリン体を極端に多く含んでいない種類でも、お酒を飲むと尿酸の産生量が多くなり、排泄が抑制されます。さらに、食欲が増すことで肥満につながったり、おつまみでプリン体の摂取量が増えたりする可能性もあります。
1日の目安量は、日本酒なら1合、ビールなら500mL、ウイスキーならダブル1杯(60mL)までとし、週に2日以上はアルコールを飲まない日を設けましょう。
また、肥満を解消するために、食事の改善と併せて週3回程度の軽い運動も心がけましょう。
薬物療法
生活習慣を改善しても尿酸値が下がらない場合は、尿酸降下薬による薬物療法を行います。尿酸降下薬には尿酸排泄促進薬(尿酸の排泄を促す薬)と尿酸生成抑制薬(尿酸の生成を抑える薬)があり、尿酸が過剰になっている原因に合わせて処方されます。
また、尿酸降下薬を飲み始める前に痛風発作が起こってしまった場合は、先に痛みや腫れを抑える非ステロイド抗炎症薬を使います。その後、尿酸降下薬による治療を行うことが一般的です。
高尿酸血症は放置せずに継続的な治療を!
高尿酸血症を放置すると、痛風発作や尿路結石症につながることがあります。また、尿酸値が下がったからといって薬を飲むのをやめてしまうと、すぐに尿酸値が元に戻ってしまいます。そのため、高尿酸血症と診断されたら定期的に通院し、しっかり治療を続けましょう。
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