「脂肪肝ですね」と診断されたら?~摂るべきもの・減らすべきものを管理栄養士が解説!~

この記事のポイント

  1. 脂肪が肝臓に蓄積して起こる脂肪肝は「アルコール性脂肪肝」と「MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」に分かれる
  2. 早期発見のカギは定期検診であり、指摘されたら放置せず二次検査・早期治療を受けることが大切
  3. 脂肪肝に特効薬はなく、早期に食事・運動などの生活習慣を見直すことで改善が期待できる

食べ過ぎで余ったエネルギーが体脂肪として蓄積するように、肝臓にも脂肪が蓄積し、じわじわと肝臓を傷つけます。さらに、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、重症化するまでは自覚症状が現れません。 健康診断などで肝臓の数値が悪くなっていても「症状がないから」と放置すると、肝臓の細胞はダメージを受け続け、徐々に硬くなり、肝硬変に進行します。さらに進行すると、肝不全や肝がんのリスクも高まります。肝臓は、一度硬く変化してしまうと元の状態には戻りません。脂肪肝は「症状が出てから」の対処では手遅れになってしまう可能性があるため、「早期発見・早期治療」をすることが重要です。こちらのコラムでは、脂肪肝の種類や食事・運動療法などについて解説します。

脂肪肝には種類がある?

脂肪肝は大きく分けて、以下の2種類に分かれます。

  • 「アルコール性脂肪肝」:お酒の飲み過ぎが原因
  • 「MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」:食べ過ぎや生活習慣の乱れが原因

当院を受診される脂肪肝と診断された患者さんのうち大半を占めるのは、肥満の方だけでなく、痩せている人でも注意が必要な「MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」です。痩せている人は筋肉が少ない傾向にあり、筋肉が少ないとエネルギーを燃やしきれずに、中性脂肪として肝臓に蓄積されやすくなります。

前述したように、脂肪肝は痛みなどの症状が出ないため、健康診断などで自分の肝臓の状態を定期的にチェックすることが大事です。脂肪肝と診断された場合は放置せず、必ず二次検査を受けましょう。

二次検査の内容

  • 血液検査(肝機能の再評価)
  • 腹部エコー検査(脂肪の蓄積を確認)

予約が取りづらかったり、検査から結果説明までに時間がかかる医療機関もありますが、サルスクリニックは臨床検査技師が常駐しているため、エコーなどの検査でも早ければ当日中に実施でき、医師から結果説明を受けることが可能です。
※混雑状況や食事の摂取状況などにより当日検査が実施できない場合もございます。

脂肪肝の治療は「生活習慣の改善」が基本

現時点では脂肪肝には特効薬がないため、日々の生活を見直すことが一番の薬となります。

MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)

「食事内容の改善」と「運動の習慣化」が大切です。
肥満に該当する人は、まずは体重の7%の減量を目標として、徐々に標準体重を目指しましょう。

アルコール性脂肪肝の場合

肝臓を休ませる必要があるため、原則「禁酒」となります。

次の章では、アルコール性脂肪肝の食事療法について詳しく解説します。

アルコール性脂肪肝の方必見!「肝臓をいたわる食事療法」とは?

カロリーをコントロールする

カロリーをコントロールするために、まずは自分に必要なエネルギー量を確認しましょう。 以下の計算式に自分の身長・体重を当てはめて、まずは「標準体重」を計算しましょう。計算した「標準体重」をもとに、「摂取目安」を計算してみましょう。肥満の方が「摂取目安」を計算するときは、標準体重に最小値の25(kcal)をかけると、より減量効果が高まります。

  • 【標準体重】 身長(m) × 身長(m) × 22
  • 【摂取目安】標準体重(kg) × 25〜30(kcal)

避けるべきもの・減らすべきもの

・飽和脂肪酸

 バラ肉、鶏皮、加工肉(ベーコン、ソーセージ)などの肉の脂身や、 バター、生クリームなどの乳製品に含まれています。

・トランス脂肪酸

洋菓子、スナック菓子、ファストフード、加工油脂(マーガリンなど)に含まれています。加工油脂は加工食品に含まれることが多いため、食品パッケージにある栄養成分表の「原材料名」をチェックしましょう。原材料名に「ショートニング」「植物油脂」と書かれている加工食品やお菓子は、できるだけ避けることが望ましいです。

・スナック菓子
砂糖や質の悪い脂が多く含まれているため、少量食べるだけでもエネルギーの摂り過ぎにつながりやすいです。例えば、コンビニで購入できる小袋のチョコ菓子は1袋で約250kcal程度のものが多く、ご飯1膳(150g)と同じくらいのエネルギーを含んでいます。少しの量でも「ご飯1膳分のエネルギー量」があることを考えると、知らず知らずのうちに摂り過ぎてしまわないか心配になりますよね。 

・清涼飲料水(ジュース)や果汁100%ジュース

ジュースなどの清涼飲料水に含まれている「果糖ブドウ糖液糖」は、最も脂肪肝に影響しやすい糖といえるため、避けましょう。

果物の糖質なら食べても大丈夫?

糖質を摂りすぎると、消費されずに余った糖質は中性脂肪として肝臓に溜まり、脂肪肝の原因になります。「果物は糖質が多いのでは?」と思うかもしれませんが、適量であれば食べても問題ありません。実際に、りんご半分(約15g)の糖質は、アイス1個(約35g)の半分以下です。つい食べてしまうスナック菓子を果物に置き換えれば、糖質の過剰摂取を防ぎ、脂肪肝のリスクを下げられます。さらに、代謝を助けるビタミンや、浮腫みの改善・予防となるカリウム、不足しがちな食物繊維も摂れるため、甘いものが欲しい時はスナック菓子よりも果物を選びましょう。

積極的に摂るべきもの

・不飽和脂肪酸

青魚に多く含まれ、中性脂肪を減らす働きがあります。
「サプリによる摂取でも良いのか?」という質問をよくいただきますが、その答えは「飽和脂肪酸(肉など)を減らし、その分を不飽和脂肪酸(魚など)で補うのがベスト」です。

・たんぱく質が多く含まれる食品(肉・魚・卵・大豆製品など)

たんぱく質は体を作るために必要な栄養素であり、適度に摂ることで肝臓の修復をサポートします。

【1食分の目安】「片手のひら一杯分」の大きさ・厚みの肉や魚、卵、大豆製品
※腎疾患のある方は主治医や管理栄養士にご相談ください。

肉に注意!

ここで注意すべきなのが「肉」です。肉は部位によって含まれる脂の量に差があるため、「2.避けるべきもの・減らすべきもの」で挙げた「飽和脂肪酸」の過剰摂取につながることもあります。肉の摂取は控え、できるだけ魚を摂るようにしましょう。もし肉を食べるのであれば、購入する段階で牛・豚のバラ肉や鶏の皮など脂が多く含まれるものを避け、調理の際に脂身や皮を取り除くようにしましょう。

また、たんぱく質は、一度に大量に摂っても体内に蓄えられず、過剰分は脂肪へ変化します。1食分の目安を参考にして、朝・昼・夕の食事ごとに均等に摂ることをおすすめします。「朝食は抜いて、夕食はしっかり食べる」という食生活の方も多くいらっしゃいますが、実は脂肪が増える原因になっている可能性もあるため注意が必要です。「朝は食欲がない」という方は、前日の夜に食べすぎている可能性があります。まずは夕食の量を見直してみましょう。

食べ方の工夫

食べすぎない

「積極的に摂るべきもの」をいくつか挙げましたが、どんな食事をとっても消費されずに余ったエネルギーは中性脂肪に変わり、やがて内臓脂肪の蓄積や脂肪肝の原因となります。 つまり、食べすぎないことが最大の防御策ということです。とはいえ、我慢して抑えようとするとストレスが溜まりますよね。我慢せずとも自然と食事量が整うように工夫することで、食事療法の成功率は上がります。

買い置きをしない

お菓子の買い置きはやめましょう。
どうしても食べたい時は、少量を小皿に出してから食べるなど、食べすぎないように対策しましょう。

噛む回数を増やす

たくさん噛むことで脳の満腹中枢が刺激され、ドカ食い・食べ過ぎを防止できます。
「食材を大きめに切る」などの調理における工夫も、自然と噛む回数を増やすことにつながります。

ベジファースト

食後血糖値が急激に上がると、インスリンの働きによって余った糖が中性脂肪に変換され、肝臓に蓄積されます。食事の最初に野菜や汁物を摂ることで、食物繊維が糖の吸収を緩やかにし、食後血糖値の急上昇を防ぎます。満足感も得られるため、食べ過ぎ防止にもつながります。

夜遅い時間の食事は避ける

寝ている間は体が休息モードになるため、エネルギーが消費されにくくなり、余ったエネルギーが肝臓へ蓄積されやすくなります。できるだけカロリーは控えめに、寝る3時間ほど前までに夕食を済ませましょう。仕事などで夕食が遅くなる場合は、「分食」がおすすめです。 夕方頃におにぎりなどの軽い主食を食べておき、帰宅後は消化の良いおかず(スープや豆腐、野菜など)を少しだけ食べるようにしましょう。夕方頃に食べた分、帰宅後の食事を減らすことが大事です!

間食やアルコールとの付き合い方についてはこちらの記事でもご紹介しています。

「運動療法」の実践ガイド

食事療法とあわせておこなうことで、相乗効果を生むのが「運動」です。
「有酸素運動」はカロリーを消費、「筋トレ」は脂肪がつきにくい体質に変える役割があるため、この2つを組み合わせて取り入れるのがベストです。

有酸素運動

酸素を取り込みながらおこなう「ウォーキング」「ジョギング」などの 運動は、脂肪を消費しやすいです。1回30~60分、週3~4回おこなうことが推奨されていますが、自身の体調に合わせて無理のない範囲で取り組みましょう。無理はせず、「継続すること」が一番大事です!

 筋力トレーニング

筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。特に痩せている人は、筋肉不足が原因のことが多いため、筋トレが非常に重要です。さらに、下半身には全身の筋肉の約70%が集まっているため、太ももやお尻などの下半身の大きな筋肉を鍛えるとより効果的です。「忙しくて運動をする時間がない」「筋トレなんかできない」という方は、日常生活での動きを増やしましょう。「エスカレーターなどを使用せず階段を使う」「大股で歩く」「こまめに立ち上がる」など、取り組みやすいことから始めてみましょう。「毎日1時間走る!」と高い目標を立てて挫折するより、「前回より10分多く歩く」を続ける方が大事です。

サルスクリニックのサポート体制について

医師による専門的な診療

まずは医師が診察し、二次検査の必要性や今後の治療方針をご説明します。

血液検査・腹部エコーによる評価

数値や映像で体の状態を評価します。

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体組成チェック

高精度な体組成計「InBody」を使用し、体脂肪率や筋肉量、体水分量を詳細に分析します。(※InBodyはサルスクリニック日本橋院・有明院のみ実施可能です。)

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管理栄養士によるアドバイス

InBody測定結果や検査結果に基づき、専門的な知識を持った管理栄養士が、一人ひとりの食生活やライフスタイルに合わせた、無理なく続けられる食事・運動プランをご提案します。

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脂肪肝は生活習慣病のひとつです。一度改善しても、乱れた生活習慣に戻ればすぐに再発してしまいます。 脂肪肝を克服するためには「正しい食事」と「適切な運動」を習慣化することが大事です。

サルスクリニックにはいつも管理栄養士がいます

サルスクリニックには、医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。
食事や栄養についてお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
みなさまが健康で充実した生活を送れるようサポートいたします。

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参考文献