話題の痩せ薬「マンジャロ」「リベルサス」などの効果・副作用とは?~減量薬について解説 ~

この記事のポイント

  1. 「マンジャロ」や「リベルサス」などの「GLP-1受容体作動薬」は、2型糖尿病治療薬の一種であり食欲抑制や満腹感の持続などの効果がある
  2. 「アライ」などの「脂肪吸収抑制剤」は、ドラッグストアなどで処方箋なしでも購入できる要指導医薬品のひとつであり、脂肪の排出に効果がある
  3. 「防風通聖散」という漢方薬は、肥満症の治療薬として用いられるほか、ドラッグストアなどでも購入でき、脂肪の分解や燃焼を促す効果がある
  4. どの薬にも必ず副作用のリスクがあり、リバウンドの可能性も高いため、あくまでも「減量の補助」として使用することが重要

近年、「痩せ薬」や「メディカルダイエット」という言葉を耳にする機会が増えました。
特に「マンジャロ」や「リベルサス」といった「GLP-1受容体作動薬」について、「本当に痩せられるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これらは「誰でも簡単に痩せられる魔法の薬」ではありません。
医療用医薬品は高いダイエット効果が期待できる反面、副作用やリバウンドのリスクもあるため、医師による適切な管理と処方が必須です。
こちらのコラムでは、話題のマンジャロやリベルサスをはじめ、現在日本で使用されている減量薬の種類・効果・副作用などについて、管理栄養士の観点から解説します。

「GLP-1受容体作動薬」とは?(食欲抑制・満腹感の持続 )

最近SNSでよく見かける「マンジャロ」や「リベルサス」は、この「GLP-1受容体作動薬」の代表的な薬です。満腹感を持続させ、自然と食事量を減らす効果があります。当院で薬を用いた減量をおこなう場合も、主にこれらの薬が処方されます。

代表的な薬

  • 飲み薬:「リベルサス」
  • 注射薬:「マンジャロ」「オゼンピック」「ウゴービ」など

「リベルサス」「マンジャロ」「オゼンピック」は、2型糖尿病の治療を目的とする場合にのみ保険が適用されます。

※「ウゴービ」は、肥満症と診断され、さらに高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを合併している方のうち、次の①または②のいずれかに該当する場合に限り、保険が適用されます。

  1. BMIが35以上である
  2. BMIが27以上で、睡眠時無呼吸症候群や脂肪肝などの肥満関連健康障害を2つ以上合併している

さらに、6か月以上にわたり食事療法や運動療法に取り組んだにもかかわらず、十分な改善が得られないことも条件となります。

主な作用

  • インスリンの分泌を促進する
    血糖値を下げるホルモンである、インスリンの分泌を促します。
  • グルカゴンの分泌を抑制する
    血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑え、血糖値の調節を助けます。
  • 胃からの排出を緩やかにする
    食べたものが胃から腸へ移動する速度を緩やかにすることで、満腹感が持続しやすくなります。
  • 食欲に関わる脳の働きに作用する
    脳の食欲調節に関わる部分に働きかけ、空腹感を抑えたり、食事量を減らしたりする効果が期待できます。

主な副作用

  • 吐き気・嘔吐・胃のむかつき
    これらは、薬によって胃の内容物の排出が緩やかになることなどが関係しています(食べたものが胃に長く留まる)。特に、使用開始時や増量時に初期症状として起こりやすく、体が薬に慣れてくると次第に軽くなる場合が多いです。

    《吐き気・胃のむかつきなどの症状がある時の対処法》
    症状がつらい時は「1回の食事量を少なくして回数を分ける」「油っこい料理や刺激物を控える」「ゆっくりよく噛んで食べる」など、胃への負担を減らす食べ方を試してみてください。それでも症状がひどい場合は、無理せず医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

薬を使っても痩せない原因

  • 摂取カロリーが多い
    薬によって食事量が減っても、高カロリーなお菓子やアイスを食べたり、お酒を飲む機会が多ければ、結果的に摂取カロリーが増え、体重は減りません。
  • 基礎代謝の低下
    食欲が低下して食事量が減ると、体脂肪だけでなく筋肉量も減少する場合があります。筋肉量が減ると基礎代謝量も低下するため、結果的に「痩せにくく太りやすい体」になってしまいます。減量中は適度な運動を取り入れ、筋肉量の維持を意識することが重要です。
  • 内服・投与方法の誤り
    薬を飲み忘れたり間違った使用方法では、十分な効果が得られません。特に、飲み薬の「リベルサス」は「朝、飲食前の空腹時に、少量の水(約120ml以下)で飲み、その後30分間は飲食を控える」というルールがあります。正しい用法を守ることが、効果を出す第一歩です。

脂肪吸収抑制剤とは?(脂質の排出)

食事から摂取した油(脂質)の一部を、便と一緒に体外へ排出する薬です。

代表的な薬

「アライ」「ゼニカル」

大正製薬から発売された「アライ」は、処方箋がなくても薬局やドラックストアで購入できる要指導医薬品のひとつです。誰でも買えるわけではなく、年齢(18歳以上)、腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)、BMI(25以上〜35未満)などの基準を満たし、さらに薬剤師の指導のもとで、購入前1ヶ月間の「生活習慣改善の記録」を提出する必要があります。

一方、「ゼニカル」は医療機関で医師の処方が必要ですが、保険適用外で全額自己負担の自由診療処方となります。食事由来の脂質のうち約25~30%を便と一緒に排出してくれますが、裏を返せば「残りの70~75%は吸収される」ということです。つまり、もともとの食事で脂質を摂りすぎていれば、当然ながら体重は落ちません。

主な副作用

個人差もありますが、下着や洋服を汚してしまうケースも多く報告されており、メーカーからも便もれパッドや生理用品などの着用が推奨されています。日常生活やお仕事への影響も踏まえ、使用は慎重に検討することをおすすめします。

漢方薬について

代表的な薬

「防風通聖散」

便秘を伴う肥満症に用いられる漢方薬です。「防風通聖散」は、体を温めて熱を発散し、エネルギー消費を高めて脂肪の分解や燃焼を促すことで、便秘をともなう肥満症などを改善しやすくする薬です。医療機関で肥満症の治療として処方される(保険適用される場合がある)ほか、薬局やドラッグストアなどで市販薬としても販売されています。しかし、あくまで「代謝をサポートし、溜め込みにくい体を作る」ための補助的な役割の薬であるため、根本的な体質改善には、日々のバランスの良い食事と適度な運動による生活習慣の改善が不可欠です。

使用時の注意点:体質の見極め

「防風通聖散」は、体質や症状によって向き・不向きがある漢方薬です。「体格がよく体力もあるが、お腹周りに脂肪が多く、便秘がちな方」に向いている薬であるため、逆に「体力がなく胃腸が弱い方」や「冷え性でお腹を下しやすい方」が服用すると、激しい腹痛や下痢を引き起こしたり、体調を崩してしまったりする恐れがあります。

主な副作用

市販薬として手軽に買える薬ですが、体質によっては下痢、腹痛、吐き気、胃の不快感、発疹、かゆみ、動悸、発汗過多などの副作用がよく起こります。特に、便秘改善の生薬(大黄など)が含まれるため、お腹がゆるくなることがあります。

【まとめ】薬を使った減量との正しい付き合い方

どの薬にも必ず「副作用」のリスクが伴います。個人差はありますが、薬の作用がしっかり現れる一方で、副作用が現れることがあります。また、漢方薬のように体質との相性によって副作用が起こるケースもあります。薬の効果だけに目を向けるのではなく、体への負担やリスクも併せて慎重に検討することが大切です。

また、薬は「使用している間だけ」効果を発揮します。薬をやめた後、元の食事に戻してしまえばリバウンドする可能性も高まるため、注意が必要です。

【成功例】リバウンドしない人の薬の使い方とは?

「どうしても間食や夜食がやめられない」という方は、まずはGLP-1受容体作動薬「リベルサス」を使用し、薬の力で間食を減らします。それをきっかけに「間食をしない」ということ自体が習慣化していくと、薬をやめた後も無理なく体重を維持することができます。

薬は「つい食べすぎてしまう」「間食がやめられない」といった、ちょっとした食行動改善の補助として使用し、薬をやめた後もリバウンドしにくい生活習慣を身につけていくことが、何よりも大事です。

私たち管理栄養士も全力でサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

サルスクリニックにはいつも管理栄養士がいます

サルスクリニックには、医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。
生活習慣病の予防・改善はもちろん、「ダイエット薬を使い始めたけれど食事はどうすればいい?」「薬をやめた後のリバウンドが心配」といったお悩みもお気軽にご相談ください。薬だけに頼らず、健康的でリバウンドしにくい食事・栄養習慣の確立をしっかりとサポートいたします。

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参考文献