コレステロールが増える原因
コレステロールを下げるには、まずコレステロールが増えた原因を理解することが大切です。
コレステロールには種類がありますが、中でもLDLコレステロールは増え過ぎると健康に悪影響を及ぼし、脂質異常症を引き起こします。このときの主な原因は食生活などの生活習慣です。特に食生活では、動物性脂肪の多い食品、コレステロールの多い食品を多く取ることによって、LDLコレステロールが増えることが分かっています。また、食べ過ぎもLDLコレステロールが増える原因の1つです。
このことから、LDLコレステロールを下げるためには食事に注意する必要があります。
体質的に増えやすい人もいる
LDLコレステロールが増えた人の中には、生活習慣に関係なく、遺伝的に増えやすい方もいます。このような場合を“家族性高コレステロール血症”といいます。そのほか、甲状腺機能が低下しているような場合など代謝が低下していても脂質が上がりやすいこともあります。
コレステロールを下げるポイント
前述のとおり、LDLコレステロールが増えるのは日頃の食生活が大きく関係しています。そのため、病院ではまず食事や運動など生活習慣の改善について指導されます。以下では、LDLコレステロールを下げるために意識したい食生活の注意点についてご説明します。
バランスのよい食事を取る
LDLコレステロール値を下げるためには、何よりバランスのよい食事を心がけることが大切です。1日3食をバランスよく食べること、間食を避けることを心がけ、食べ過ぎないように注意しましょう。
食品の中でも積極的に取り入れたいものには以下があります。
野菜や海藻
野菜や海藻にはコレステロールがほとんど含まれていないため、食べてもコレステロール値が上がりにくいといわれています。また食物繊維を豊富に含むため、コレステロールや中性脂肪などの脂質を体の外に排出するのを助けます。
大豆
大豆には、悪玉コレステロールの吸収を抑える“植物性たんぱく質”が豊富に含まれています。豆腐や納豆など、さまざまな大豆製品を日常の食生活に取り入れるとよいでしょう。
魚
魚には、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす役割を持つEPAやDHAといった脂肪酸が含まれています。特にマグロやサンマ、イワシなどの青魚に多く含まれます。
緑茶
飲み物の中では、緑茶に含まれるカテキンが悪玉コレステロールの吸収を抑えるといわれています。
一方で控えたほうがよい食品には以下のようなものがあります。
肉類や乳製品
肉や乳製品には動物性脂肪が豊富に含まれています。動物性脂肪の取り過ぎは、悪玉コレステロールを増やす恐れがあります。肉を食べる時は脂身を避け、赤身を選ぶなど工夫をしましょう。
卵や魚卵、レバーなど
卵や魚卵、レバーにはコレステロールが多く含まれています。食品から取るコレステロールの量が多いと、悪玉コレステロールが増える可能性があります。
お酒
お酒を飲み過ぎると、コレステロールのバランスが崩れやすくなります。そのため飲酒を控えるか、飲酒をする場合でも適量に留めることを意識しましょう。
適度な運動も大切
LDLコレステロールを下げるには、運動習慣も欠かせません。特にウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。頻度は週3回で1回20~30分程度を目指し、慣れてきたら増やしていくとよいでしょう。
禁煙もポイント
喫煙習慣のある方は禁煙をすることにより悪玉コレステロールを下げられる可能性があります。意識してみるとよいでしょう。
生活習慣を改善してもコレステロールが下がらない場合は?
生活習慣を改善してもLDLコレステロールが下がらない場合は、薬による治療が検討されます。また家族性高コレステロール血症では、診断後すぐに薬による治療が検討されることもあります。
LDLコレステロールを下げる主な治療薬
- HMG-CoA還元酵素阻害薬(メバロチン・リポバスなど)
- 陰イオン交換樹脂製剤(コレバインなど)
- 小腸トランスポーター阻害薬(ゼチーア)
- フィブラート系(ベザトールSRなど) など
コレステロールの数値が気になるときは病院へ
悪玉コレステロール値が高い場合、多くは生活習慣によるものと考えられます。しかし中には遺伝によるものや疾患による影響もあるため、原因を探るためにも一度医療機関を受診するとよいでしょう。
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