狭心症を放置してはいけない理由は?
狭心症の診断後や治療開始後は、たとえ症状がなくても定期的な通院が必要となります。「発作が少なくなった」「発作が起こってもじっとしていれば治まる」からといって放置すると、重篤な状態に陥る可能性もあります。
そこでまずは、なぜ通院が必要なのか見ていきましょう。
薬による治療を続ける
狭心症の治療の基本は薬物治療になります。手術などの外科的治療を受けた後も、病気とうまく付き合い、再発を防止するためには薬物治療を続けていく必要があります。そのため、定期的に通院して薬を処方してもらう必要があるのです。
狭心症の薬
狭心症の治療は、患者さんの状態に合わせて以下のような薬を組み合わせて行います。
- 血流をよくする薬
- 心臓の血管を広げる薬
- 心臓の負担を減らす薬
- コレステロールを下げる薬
など
また、発作(胸などの急な痛み)が起こった場合はニトログリセリンなど、医師に指定されている薬を飲む必要があります。発作時の薬は舌下錠を使用することが一般的で、舌の下に入れて溶かすと数分で痛みが治まります。
痛みが強い、痛みが30分以上続く、以前より発作の回数が増えてきた場合などには、すぐに受診しましょう。
心筋梗塞の兆候を見逃さない
狭心症は心筋梗塞を引き起こしたり、狭心症の発作だと思っていたものが心筋梗塞の前兆であったりする場合もあるため注意が必要です。定期的な受診で心筋梗塞が起こっていないか医師と確認することが重要です。
心筋梗塞とは血のかたまり(血栓)で冠動脈が詰まり、心筋が死んでしまう状態(壊死)のことをいいます。心筋梗塞が起こると、狭心症よりも強い胸の痛みが20分以上続き、薬もほとんど効きません。
前兆として心筋梗塞が起こる数か月~数日前の胸の痛み、圧迫感、不快感、胸やけのような症状が起こる場合があります。ただし、前兆の症状は比較的軽く、すぐに治まることもあり、自分で気がつくのは難しい場合があります。そのため、心当たりがある場合はすぐに受診してください。
狭心症や心筋梗塞の再発を予防するためには?
狭心症や心筋梗塞を発症したことがある方は、同年代の人よりも再発率が非常に高いといわれています。再発予防のためには、原因となる生活習慣の改善や定期的な検査が重要です。
生活習慣の改善
高血圧症や脂質異常症、糖尿病、肥症満、喫煙、ストレスなどが狭心症の原因となるといわれています。再発予防のためには生活習慣に注意したり、原因となる病気の治療を受けたりする必要があります。日常生活では以下のようなことを心がけましょう。
- ウォーキングや水中運動などの有酸素運動を1回30分以上、週3~4回行う
- 塩分や脂肪、アルコールを取りすぎない
- 禁煙する
- 適度な休息を取る
など
定期的な検査
狭心症の検査には、レントゲン検査(X線撮影)、心電図、血液検査のほか、心臓超音波検査(心エコー)やホルター心電図(24時間連続で心電図を記録する検査)などさまざまなものがあります。
検査の結果、狭心症が疑われる患者さんには、運動負荷心電図(運動で心臓に負担をかけた際の心電図をみる検査)や冠動脈CTなどによってより詳しく検査します。
心筋梗塞には前兆のような症状が出る場合もあるため、定期的な通院や検査で日ごろから医師とコミュニケーションを取っておくことで、早期発見しやすくなります。
狭心症と診断されたら放置せずに定期的な通院を!
狭心症を放置すると心筋梗塞につながることもあるため、定期的に通院し、薬物治療を続けたり、検査で状態を確認したりすることが大切です。また、再発予防のためには原因となる生活習慣の改善なども並行して行っていきましょう。
サルスクリニックでは、たとえ病気であっても病気とともに楽しく生きられるようなサポートをしており、在籍する医師や管理栄養士が食事療法などに関してもアドバイスを行っています。X線撮影や心電図、血液検査、超音波検査など狭心症に関する各種検査も院内で実施し、診断結果も分かりやすく伝えています。
予約、決済はスマートフォンからも可能ですので、お気軽に受診を検討してみてください。
※サルスクリニックの検査・健診(保険適用外)について、詳しくはこちらをご覧ください。