改善傾向にある方の共通点とは?
著しい改善が見られる患者さんの心構えや行動パターンには、いくつかの共通点があります。共通点といっても、特別な才能があったわけではありません。誰にでもできる、目標達成に向けた意識や姿勢の特徴です。
「言われたこと」ではなく「自分ごと」として捉え、小さな変化を楽しむ
食事相談で提案されたことを、ただ「言われたこと」と捉えるのではなく、「自分の生活をより良くするためのヒント」として捉えられる方は、改善につながりやすい傾向があります。例えば、以下のようなケースもありました。
栄養指導の際に、「運動不足を感じている」という患者さんへ、「通勤時にできそうなことはありますか?」と問いかけてみました。すると、ただ「ありません。」とはならずに、「最近ついついエレベーターやエスカレーターを使ってしまっていたかも・・・。電車でも立たずに座ろうとしてしまっていた・・・。」と、ご自身で課題に気づかれました。その後、階段を利用したり、電車内でかかと上げ運動を行ったりと、すぐにできることから取り組みました。次の栄養指導では、「なんだか足のむくみが取れてきた気がする!」「フットワークが軽くなったと褒められた!」など、前向きな反応を見ることができました。
生活の小さな変化に気づき、その効果を実感することが、良い習慣を続ける原動力になります。
「完璧」を目指さず、まずは「できることから」前向きに取り組む
1日3食食べる場合、1年間で1,095回の食事があります。「毎食完璧にしなければ!」と考えると、心が折れてしまうかもしれません。一方で、「今日は2食だけ整えよう」「できなかった分は明日調整しよう」と柔軟に考え、その日できたことを積み上げられる方のほうが、着実に良い習慣を身につけられています。
うまくいかなかったことも、隠したり取り繕ったりせず、正直に話せる
当院の栄養指導は、できなかったことを責めたり掘り下げたりする場所ではありません。うまくいかなかったことは「改善方法が合わなかった」というひとつの結果として受け止め、あらゆる視点や角度から別の改善方法やプランを考え直します。その後、調整した内容をもとに取り組み、また目標に向かって継続する、というサイクルを繰り返します。
過去には「血圧が高く、塩分を控えたいが、仕事の付き合いで外食が増えてしまった」という患者さんがいらっしゃいました。たしかに、コミュニケーションを兼ねた外食の時間も大切です。このような場合でも、隠さずに正直にお話いただければ、「外食前後の食事で塩分を控えて調整する方法」や「塩分を体外に排出する作用のある栄養素(カリウムなど)を豊富に含む食品を効率よく摂る方法」など、別の視点からのアプローチをご提案できます。私たち管理栄養士は、指導者ではなく伴走者です。そして、食と健康のプロフェッショナルでもあります。患者さんとの正直な対話で、次に進むべき道をスムーズに見つけられます。
テクノロジーを活用し、セルフチェックを継続できる
食事記録や、体重、血圧の記録など、毎日つけるのは大変な面もあります。しかし今では、計測した数値が自動でスマートフォンに連動する機器も増え、手軽にセルフチェックできる環境が整っています。このようなツールを活用して自身の状態を振り返ることができる方は、こちらから提案する前に、「こうしてみようと思うのですがどうでしょうか?」など、自ら改善案を見つけられることもあります。自分で気づき、自分で試せるものを見つけられた方ほど、早めに変化が現れる傾向にあります。
「まずはやってみよう!」という姿勢を持っている
ライフスタイルなどをヒアリングし、無理なく改善可能な新しい提案をしたとき、「あ、それいいかも!」「まずはやってみます」と、ポジティブな姿勢で取り組む方のほうが、変化が現れるのも早いです。
ある患者さんは、「なかなか自宅で運動ができない・・・」と悩んでいました。そこで、ヒアリングの際にキャッチした「使っていないバランスボールを持っている」という話題から、「バランスボールも運動になるので、試してみては?」と提案してみると、「たしかに!持っているなら使ってあげないとね」と笑顔で提案を受け入れてくれました。次の栄養指導の際には、「バランスボールにうまく乗れなくて、体幹を使うことの難しさを実感しました。でも、以前続かなかった筋トレならできる気がして、再挑戦したら意外と続けられて・・・!」と楽しそうにお話をしてくれました。このように、新しい挑戦はうまくいかなくても、意外なきっかけで過去にできなかったことへの心理的ハードルを下げ、「これならできるかも」という成功体験につながったのです。このように、ポジティブな姿勢で取り組むことで意外なきっかけが生まれ、継続できることを再発見できた方もいらっしゃいます。
なかなか効果が出にくい方の傾向
一方で、生活習慣を見直す意欲が持てない状態にある方や、行動を変えることに後ろ向きな方は、体重や血液、血圧の数値が改善しにくい傾向があります。当院の栄養指導は、私たち管理栄養士が伴走し、患者さんと二人三脚で生活習慣から変えていくことが前提です。つまり、一緒に取り組む意識やスムーズなコミュニケーションがとれないと、改善スピードが緩やかになってしまいます。また、栄養指導の時間は、私たちが一方的に指示を出す時間ではありません。患者さんご自身が「どう変わりたいか」を決めて、実現していくためのサポートをおこなう時間です。この「変わろうとする意欲」が治療のスピードと結果を左右します。私たち管理栄養士は、「患者さん一人ひとりの中に答えがある」と信じて、日々サポートをおこなっています。そのため、「生活習慣を変える気がない」「どこが悪いのか当ててほしい」など、受け身の状態では、当院が目指す主体的な治療方針が合わずに、数値や結果が出にくい傾向があります。
数値で見る当院の確かな改善力
当院では、InBodyという体組成計や、約20分で結果がわかる血液検査を用いて、身体のデータを継続して測定しています。継続的な測定をおこなうからこそ、身体の変化を具体的な数値で確認でき、改善がわかりやすいと好評です。実際に、はじめに解説したような改善傾向にある方の特徴を持ち、3年以上継続通院されている患者さんは、毎日の食事記録などの取り組みを続けられ、最初の1年で8%の減量に成功、2年目は2.7%、3年後はさらに8.3%の減量につながり、最初の体重から合計で18%もの減量を達成されました。血圧や血液の数値も改善され、「服薬無しの生活習慣改善でもここまで変われる!」と実感していただけたようです。減量や生活習慣の見直しは、治療効果として確かな数値で表れるのです。
当院とともに「一歩」を踏み出すために
当院では、食事やライフスタイルの見直しも生活習慣病改善に不可欠な治療法のひとつととらえています。栄養指導の時間を使用して、現状の生活習慣から無理せず改善できそうなポイントを見つけ、改善策を提案し、その継続をサポートすることで患者さんの健康や生活と向き合っています。「成功」と「なかなかうまくいかない・・・」を分けるポイントは、特別な食事制限ではなく、「小さな一歩を続ける姿勢」や「私たちとの対話」にあります。「改善したい」という強い気持ちに、私たちは全力で応え、サポートします。まずは勇気を出して、私たち管理栄養士に生活習慣の悩みやライフスタイルなどをお聞かせくださいね。
サルスクリニックにはいつも管理栄養士がいます
サルスクリニックには、医師や看護師だけでなく、管理栄養士が常駐しています。
食事や栄養についてお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
みなさまが健康で充実した生活を送れるようサポートいたします。