血糖値がどのくらい高いと糖尿病となる? 血糖値が上昇する理由についても解説

この記事のポイント

  1. インスリンの作用が不十分だと血糖値が高い状態が続いて糖尿病になる
  2. 空腹時血糖値126mg/dL以上、HbA1c6.5%以上で糖尿病を疑う
  3. より詳しく血糖値の状態を調べるには75g経口ブドウ糖負荷試験を行う

糖尿病は血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。それでは、血糖値がどのくらい高い場合に糖尿病が疑われるのでしょう。本記事では血糖値が高くなる原因や、血糖値を調べる検査、基準値について解説します。

血糖値が高くなる原因

私たちが食事で摂取した糖質(主に炭水化物に含まれる)は小腸で吸収された後、血液中に移行しブドウ糖となります。このブドウ糖がどれくらい血液中に含まれているかを濃度で示したものを“血糖値”といいます。

食後に血糖値が上昇すると、血糖値を下げるインスリンというホルモンが膵臓すいぞうから分泌されます。このインスリンのはたらきによってブドウ糖は細胞の中に取り込まれ、私たちが生きるためのエネルギー源となります。

しかし、インスリンが十分に分泌されなかったり、はたらきが弱まったりすると、血液中のブドウ糖が過剰にあふれてしまいます。すると、慢性的に血糖値が高い状態が続いてしまい糖尿病となります。血糖値が高い状態がより長期に及ぶと、血管が傷つき、目や腎臓、神経に糖尿病特有の合併症が生じることもあります。

糖尿病が疑われる血糖値の数値は?

血糖値とHbA1c

健康診断などで行う血液検査の項目のうち、血糖値とHbA1cヘモグロビンエーワンシーの2つが血糖値の状態を示す項目です。これらの数値が高いほど、糖尿病のリスクが高いことを意味します。

血糖値は採血時点でのブドウ糖の濃度を示し、HbA1cは過去1~2か月の血糖値の平均を示しています。HbA1cとは血液中を流れるブドウ糖がヘモグロビンと結合してできた物質のことで、検査項目では全てのヘモグロビンのうちHbA1cがどのくらいの割合で存在しているかをパーセンテージ(%)で表しています。

また、血糖値は検査直前の食事や運動などの影響を受けるため、健康診断では通常空腹時の血糖値を測定します。HbA1cは短期的な要因によって数値が変わることはありません。

血糖値とHbA1cの基準値

血糖値(空腹時血糖値)が70~110mg/dL未満(100~110mg/dLは正常高値)、HbA1cが5.6%未満であれば正常です。空腹時血糖値が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上で糖尿病型と判定され、糖尿病が強く疑われます。同一の採血で血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型であれば1回の検査で糖尿病と診断されます。正常よりも高く、糖尿病型よりも低い場合には、境界型(糖尿病予備軍)と呼ばれます。

境界型や正常ではあるものの正常高値に該当する場合には、糖尿病の可能性が否定できなかったり、将来糖尿病を発症するリスクが高かったりします。そのため、血糖値の状態をさらに詳しく調べるための75g経口ブドウ糖負荷試験を行う場合ことがあります。

血糖値の基準値についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

血糖値の状態をより詳しく調べる検査

75g経口ブドウ糖負荷試験

75g経口ブドウ糖負荷試験は、75gのブドウ糖を含んだ液体(サイダーのようなもの)を飲み、服用後30分後、60分後、120分後に血糖値を測定する検査です。摂取前後の血糖値の推移を見ることで、ブドウ糖を処理する能力がどれくらいあるのかを調べることができます。糖尿病の初期の段階では、空腹時血糖値が正常でも食後だけ高血糖が続くことがあります。こうした通常の血液検査だけでは発見しづらい糖尿病の診断に有用な検査です。検査の結果、ブドウ糖の入った液体を服用して2時間後の数値が140mg/dL以上で境界型、200mg/dL以上で糖尿病型となります。

血糖値のことで気になることがあればご相談ください

サルスクリニックでは生活習慣病に関する各種検査を取り扱っております。健康診断で血糖値やHbA1cが高くて気になっている場合にはぜひ受診してください。また、糖尿病などの生活習慣予防のためのアドバイスも行っております。オンライン診療も行っておりますので、不安なことがあれば一度お気軽にご相談ください。

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