糖尿病の食事療法中に食べてはダメなものはある?
糖尿病だからといって、基本的に食べてはいけないものはありません。ただし、食事療法を実施するうえでは、摂取カロリー量と栄養バランスが重要です。
必要なカロリー量や栄養は患者さん一人ひとりで異なりますので、基本的には医師と相談することが大切です。適正なカロリー量を決め、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素をバランスよく取り、ビタミンやミネラルも欠かさないよう努めましょう。
カロリー
糖尿病の食事療法では、カロリーを抑えることなどで食習慣を改善、血糖値を正常に戻すためにコントロールすることが大切です。具体的な1日当たりの適正カロリーは、年齢や目標とする体重、普段どれほど体を動かすかなどによって変わってきます。
特に子どもの場合は成長に必要なエネルギーなども考える必要があるため、かかりつけの医師や管理栄養士とよく相談しましょう。
栄養バランス
栄養バランスを考えるにあたって、具体的には、炭水化物は全体の食事の50〜60%ほどのカロリー量、たんぱく質は20%以下を目安として、残りは脂質を取るのがよいといわれています。
また、もし脂質のカロリー量が25%を超える場合は、多過不飽和脂肪酸*を多く取る食事を意識することが大切です。
*多過不飽和脂肪酸:植物や魚の脂に多く含まれる脂肪酸。動脈硬化や血栓を防いだり、血圧を下げたり、LDLコレステロールを減らしたりする作用がある。
取り過ぎに特に注意が必要な食品とは?
糖尿病の患者さんは、血糖値を上げやすい食品の食べ過ぎに注意が必要です。たとえば糖質が多い食品、特に甘いものを食べると血糖値が急激に上昇しますので、食べ過ぎに気を付けましょう。
血糖を上げやすい食品
- ご飯
- パン
- とうもろこし
- 麺類(うどん・そば・ラーメン・パスタなど)
- 芋類(じゃがいも・サツマイモなど)
- かぼちゃ
- デザート類
- お菓子類
など
糖質を取りすぎないために心がけたいこと
間食を取りすぎない
食事以外での過剰な間食には注意が必要です。また、ケーキや和菓子、おせんべいなどのお菓子類やカップ麺などは控えましょう。
はちみつなどの甘味料やソフトドリンクなどの甘い飲み物にも注意が必要です。緑茶や砂糖を入れないコーヒー、紅茶などに変えることがおすすめです。
主食だけで食事を済ませない
ご飯やパン、麺類などの主食だけではなく、主菜や副菜(野菜)、汁物も採って栄養バランスのよい食事を心がけましょう。もし味つけが物足りなければ、お酢、香辛料、ハーブ類などを利用して、醤油や塩など塩分の高いものを取らないような工夫が大切です。
腎臓病を合併している場合は、生野菜や果物の取りすぎに注意が必要なこともあるため、医師の指示に従ってください。
糖尿病で絶対に食べてはダメなものはない! 具体的な食事療法についてはご相談を
糖尿病の食事で食べてはいけないものはありませんが、体の状態や目標体重に合った適正カロリー量の範囲内で栄養バランスが取れた食事を取りつつ、血糖値が上がりやすい食品を食べ過ぎないようにすることが大切です。
腎臓病を併発している場合は、生野菜や果物の取り過ぎに注意が必要なことがあるので医師や管理栄養士とよく相談しましょう。
サルスクリニックでは、糖尿病であってもその人らしく、楽しく暮らしていけるようにサポートしています。医師や管理栄養士による患者さん一人ひとりに合わせた食事指導も行っています。オンライン診療(初診を除く)にも対応可能。予約や決済もスマホでできるため、お忙しい方でも安心してご相談ください。