糖尿病の薬はいずれやめられる?
2型糖尿病の治療薬は、必ずしも生涯にわたって服用し続ける必要があるわけではありません。患者さんの状態や病気の進行度合いにもよりますが、食事療法や運動療法で血糖値がコントロールできるようになれば、治療薬の減薬や服用の中止が可能となる場合もあります。
ただし血糖値の数値がよくなってきたからといって、自己判断で治療薬の量を減らしたり、服用を中止したりすることはやめましょう。
一時的に薬が必要となる場合もある
2型糖尿病では、状況に応じて一時的に薬の力を借りることもあります。たとえば、一度始めるとやめられないというイメージを持つ方が多い“インスリン治療”*も、開始されたら生涯続けなければならないとは限りません。
糖毒性のある患者さんには一時的なインスリン治療が検討される
糖尿病では血糖の高い状態(高血糖)が続くことで、血糖をコントロールするために必要なホルモン“インスリン”の分泌を低下させたり、インスリンの効きを悪くしてしまったりするなどの悪循環が生じている場合があります。このような状態に陥っている患者さんは、“糖毒性の状態”であると考えられます。
糖毒性の状態がみられる場合には、インスリン治療によってインスリンを一時的に外から補うことで、インスリンを分泌する役割を持つ膵臓を休ませ、機能を回復させることが検討されます。このような理由でインスリン治療が検討された場合、膵臓の回復とともにインスリン治療も中止されることが一般的です。
そのため新しい治療薬が処方されたときは、どんな目的で処方されたのか、どれくらいの期間服用することが予定されるのかを医師に確認してみてもよいでしょう。
*インスリン治療:インスリン製剤を自己注射することによって、インスリンを外から補い、血糖値を下げる治療方法
糖尿病の薬をやめるためには?
糖尿病の治療薬をやめられるかどうかは、病気の進行度合いや体の状態によっても異なります。医師や管理栄養士などの指導の下、食事療法と運動療法を行い、血糖値をコントロールすることが大切です。
食事療法
食事療法では、1日3食をバランスよく食べること、食べ過ぎを控え、ゆっくりよく噛んで食べること、寝る前に食事をしないことなどが指導されます。糖尿病だから食べられないという食品は特にありませんが、高血圧症や腎臓の合併症などがある場合には控えるべきものもありますので、医師などに確認しましょう。
運動療法
運動療法では、有酸素運動と筋力トレーニングが効果的です。有酸素運動とはウォーキングやジョギングなどを指します。ウォーキングの場合、1日2回、1回15~30分程度行うことが目安です。一方、筋力トレーニングは患者さんの体力や年齢によって内容が異なりますが、週に2~3回程度、全身の筋肉を使った運動が推奨されます。
運動療法は、患者さんによっては体の負担になってしまうこともあります。そのため、自分の体の状態にあった運動内容を医師などに確認してから行うようにしましょう。
食事療法・運動療法を続けるポイント
糖尿病の治療では長期的に食事療法・運動療法を継続しながら、血糖値をコントロールしていくことが大切です。そのため一度に頑張りすぎず、できることから少しずつ取り入れることを意識しましょう。
また、食事や運動といった長年の生活習慣を突然変えることは、時に困難です。そのため家族や友人など周囲の人はもちろん、医師などの医療従事者にも協力を仰ぎながら、ゆっくりと自身のライフスタイルに合った生活習慣の改善を目指すことが大切です。
糖尿病の薬について気になることがあれば医療機関に相談
食事療法や運動療法で血糖値をコントロールすることで、糖尿病の薬を減らしたり、止めたりすることができる場合もあります。また、糖尿病と一口に言っても人によってその状況は異なり、さまざまな治療薬があります。そのため、自身の治療方針や治療薬について気になること、知りたいことがあれば、医療機関に相談するようにしましょう。
糖尿病のことならサルスクリニックへご相談ください
サルスクリニックは、患者さんが病気と共に楽しく生きられるようにサポートするクリニックです。治療薬の内容や今後の治療計画についても詳しく説明しますので「薬はいつかやめられるの?」などという疑問についてもお気軽にご相談ください。
また当院には医師だけでなく管理栄養士も在籍し、一人ひとりのライフスタイルに合った無理のない生活習慣の改善を提案しています。受診の予約・決済はスマートフォンから行えますので、まずはお気軽にご相談ください。