若年の方もサルコペニアになるの?
サルコペニアの主な原因は加齢ですが、高齢者に限らず若い方でもサルコペニアになる可能性はあります。サルコペニアは、主に加齢が原因の一次性とそれ以外も原因となる二次性に分類されます。二次性サルコペニアは年齢に関係なく起こるため、若い人でも注意が必要です。
二次性サルコペニアの主な原因
病気やけがに関連する原因
- 心疾患
- 呼吸器疾患
- リウマチや膠原病
- がん(悪性腫瘍)
- 感染症
- 内分泌疾患
- 肥満
- 外傷
など
栄養に関連する原因
- エネルギー不足
- タンパク質不足
- 吸収不良
- 食欲不振を起こす薬の服用
など
活動に関連する原因
- 寝たきり
- 運動不足
- 長時間のデスクワークなどの動かない状態が続く
- 生活失調
など
筋肉量が減ってしまった原因が一時的なものであれば、徐々に活動量を増やしたり生活習慣を改善したりすることで、筋肉量を増加させて筋力を回復することが可能です。このような原因に心当たりがある方や心配な方は、まずは医師に相談して早めに治療を始めることが大切です。
どのような人がサルコペニアになりやすいの?
サルコペニアは、本来65歳以上の方を対象に診断する病気であることからも、若年で発症する確率は低いと考えられますが、発症リスクのある状態が続くと将来的にサルコペニアになる危険もあるため注意が必要です。
病気や長期間の安静が必要な患者さんなどを除いた場合、サルコペニアになりやすい方の特徴として低栄養と低活動が挙げられます。
低栄養状態になるリスクのある方
栄養バランスのよい食事を取っていない方、過度な食事制限やカロリー制限によるダイエットをしている方は低栄養状態になり、サルコペニアに陥る危険があります。
また、筋肉は主にタンパク質から作られており、このタンパク質合成のためにはアミノ酸という物質が不可欠になります。一部のアミノ酸(必須アミノ酸)は体内で作ることができず、食事から摂取する必要があります。この必須アミノ酸が不足していると、体内で筋肉を作ることができず、筋肉の細胞が分解されて筋肉量が減少。サルコペニアになりやすいとされます。
必須アミノ酸は魚や肉(牛肉、鶏肉)、牛乳やチーズなどに含まれているので意識的に取るようにしましょう。
筋肉量が減少すると、代謝が下がって体脂肪が燃えにくい体になります。その結果、サルコペニアに肥満の状態を合わせ持った“サルコペニア肥満”になりやすく、気付かないうちに生活習慣病を合併する可能性もあります。そのため、バランスのよい食事はサルコペニア以外の生活習慣病を予防するためにもとても大切です。
低活動状態になるリスクのある方
長時間座ったままで仕事をしていたり、運動の習慣がなかったりする人も筋肉量が減ってサルコペニアになる危険性を持っています。まずは自宅でできるストレッチ、簡単なスクワットや上体起こしによるレジスタンス運動でも十分なので、意識して体を動かすようにしましょう。
昨今では、新型コロナウイルス感染症による療養や、感染予防のため活動量が極端に減ることもサルコペニアのリスクになることがあります。
サルコペニアの兆候
サルコペニアを疑う症状として、歩く速度が遅くなった、短距離の歩行や立っているだけでも疲れるようになった、ビンの蓋が開けづらいなどがあります。さらに筋肉量の減少と筋力低下が進むと、ベッドから起き上がることや着替えなどの簡単な日常生活動作にも時間がかかったり、難しく感じたりするようになります。
このような兆候がみられたらサルコペニアのリスクがあります。早めに受診し、医師に相談しましょう。
サルコペニアが心配。そんな方はクリニックにご相談ください
サルコペニアは高齢者だけでなく、日々の生活習慣や病気・けがをきっかけに、どの年代にも起こる可能性があります。ただし、サルコペニアの状態になっても、食事内容の改善や運動の習慣、必要に応じた薬物療法により筋力の維持、回復が可能です。気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。
日本橋、武蔵境、有明にあるサルスクリニックは、駅近の通いやすい立地とカフェのような院内でくつろいで受診いただけます。サルスクリニックでは、たとえ病気であっても患者さんがその人らしく生活できるようにサポートしています。各種検査、健診も行っていますので、サルコペニアが心配、将来的にサルコペニアにならないように早くから予防したいという方も是非お気軽にご相談ください。
※サルスクリニックの健康診断について、詳しくはこちらをご覧ください。