サルコペニアの診断基準
サルコペニアを診断するときによく使われるのは、ヨーロッパのワーキンググループの診断基準です。手足の骨格筋の量や歩く速度、握力などを測って診断しまが、欧米人の体格や身体機能に合わせているため、アジア人向けの診断基準も作成されています。
また、現在は日本でも、国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(National Institute for Longevity Sciences – Longitudinal Study of Aging :NILS-LSA)によって、日本の高齢者の体格や生活習慣に合わせた簡易的な診断基準が作成されています。
日本人向けの簡易的診断基準
サルコペニアの診断では、65歳以上の患者さんであることを前提に以下の診断基準の1か2のどちらかを満たし、さらに3か4のどちらかを満たせば、サルコペニアであると診断される可能性があります。
- 歩行速度:1m/秒未満
- 握力:男性28kg未満、女性18kg未満
- BMI:18.5未満
- ふくらはぎの太さ:30cm未満(周囲の長さ)
セルフチェックでできること
サルコペニアの傾向がある場合、ペットボトルの蓋が開かない、ふくらはぎが痩せた、または信号を渡り切れないなど身体機能の衰えを感じるとされます。サルコペニアの診断は医師にゆだねるべきですが、受診の目安となるセルフチェックは自身でも可能です。以下に主なセルフチェックの方法を紹介します。
わっかテスト
ふくらはぎの筋肉量を測ることができるチェック方法です。まず両手の親指同士、人差し指同士をそれぞれ合わせてわっかを作ります。それから、利き足でないほうのふくらはぎの一番太い部分を軽く囲んでみましょう。
わっかテストの結果
- 囲めない(わっかよりふくらはぎが太い)
- ちょうど囲める
- 隙間ができる(わっかよりふくらはぎが細い)
3に近いほど筋肉量が少なく、サルコペニアのリスクが高いとされています。そのほかにも、ふくらはぎが細くなった自覚がある方も医療機関を受診しましょう。
立ち上がりテスト
椅子から立ったり座ったりを繰り返して、かかった時間を測定します。椅子から5回立ち上がるのに12秒以上かかった場合はサルコペニアのリスクが高いため受診しましょう。
握力の測定
男性で28kg未満、女性で18㎏未満の場合が受診の目安です。
サルコペニアの診断の流れと治療
セルフチェックなどでサルコペニアが疑われる場合、速やかに医療機関を受診しましょう。まずはかかりつけ医に相談してみるのもよいですが、診断を確定するために専門医による詳しい検査が可能な医療機関を受診したほうがよいでしょう。
サルコペニアと診断されると、栄養・運動療法に加え、場合に応じてビタミン剤などの処方や生活習慣の改善指導などを行います。
サルコペニアが心配。そんな方はお気軽にクリニックへご相談を
サルコペニアは加齢に伴って進行し、放置すると介護が必要になる可能性もありますが、予防や改善が可能な病気です。筋力低下やふくらはぎの痩せが気になったら、サルコペニアのセルフチェックを行い、受診の目安を参考に医療機関に相談してみましょう。
日本橋、武蔵境、有明にあるサルスクリニックは、駅近の通いやすい立地とカフェのような院内でくつろいで受診いただけます。各種検査、健診も実施しているので、サルコペニアの早期発見に貢献できるだけでなく、健診の結果を受けてその場で治療を始められます。気になる症状がありましたら、ぜひお気軽にご越しください。
サルスクリニックでは、たとえ病気であっても患者さんがその人らしく生活できるようにサポートします。サルコペニアと診断された方に対しても、ご自身に合った食事療法や運動療法を提案することで患者さんをサポートしてまいります。
※サルスクリニックの健康診断について、詳しくはこちらをご覧ください。