HbA1cとは? 血糖値との違いや数値の見方について解説

この記事のポイント

  1. HbA1cは過去1〜2か月間の血糖値の平均を示したもの
  2. HbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病を強く疑う
  3. 糖尿病の診断はHbA1cだけでなく血糖値も合わせて確認する必要がある

健康診断などの血液検査の項目で目にするHbA1cヘモグロビンエーワンシー。これは糖尿病を見つけるための大切な指標であり、基準値よりも高いと指摘された場合には早めの受診が大切です。本記事ではHbA1cの意味や数値の見方について解説します。

HbA1cとは?

HbA1cは血糖値の状態を知るための検査項目で、数値が高いほど糖尿病のリスクが高いことを意味します。

HbA1cとは、血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合してできた物質のことを指し、検査では体内における全てのヘモグロビンのうち、ブドウ糖が結合したヘモグロビンがどのくらい存在しているかをパーセンテージ(%)で表しています。

血液中のブドウ糖の量が多い(血糖値が高い)と、ヘモグロビンと結合するブドウ糖の量も多くなるためHbA1cの数値も高くなります。

*ヘモグロビン:赤血球の中にあるタンパク質。全身に酸素を運ぶ役割を担っている。

HbA1cについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

血糖値との違い

血糖値が採血時点における血液中のブドウ糖の量そのものを示しているのに対し、HbA1cは過去1~2か月間の血糖値の平均を示しています。

血液中のヘモグロビンとブドウ糖は時間をかけて少しずつ結合し、一度結合したら離れることなく、赤血球の寿命(約4か月間)が終わるまで体内に残り続けます。つまり、HbA1cを見ることで、血糖値が慢性的に高い状態が続いているかどうかを知ることができるのです。また、血糖値は検査前の食事の影響を受けますが、HbA1cは食事などの単発的な要因で上下することはありません。

HbA1cの数値の見方

HbA1cが5.6%未満であれば正常です。特定健康診査(特定健診)でHbA1cが5.6%以上の場合には生活習慣の改善が必要とされ、特定保健指導**を受けることが推奨されています。HbA1cが6.5%以上の場合には糖尿病の可能性が強く疑われるため、早急に医療機関へ受診することが推奨されています。

*特定健康診査(特定健診):40~74歳を対象としたメタボリックシンドロームに着目した健診

**特定保健指導:保健師や管理栄養士が生活習慣改善の支援を行う

どんな場合に糖尿病と診断されるの?

糖尿病の診断の際には、HbA1cだけでなく血糖値も合わせて確認する必要があります。診断にはいくつかの条件がありますが、HbA1c6.5%以上であることに加え、空腹時に測定した血糖値が126mg/dL以上であることが条件の1つとして挙げられます。

通常の血液検査だけでは糖尿病の診断がつかないものの、糖尿病が強く疑われる場合には、詳しく調べるための75g経口ブドウ糖負荷試験を行うこともあります。

*75g経口ブドウ糖負荷試験:75gのブドウ糖が含有された液体を飲み、その前後における血糖値の推移を測定する検査

HbA1cの高値を指摘されたら早めの受診を

サルスクリニックでは生活習慣病に関する各種検査を取り扱っております。健康診断の結果、HbA1cや血糖値が高く心配な場合にはぜひ受診をしてください。必要に応じて、食事や運動などの生活習慣改善のアドバイスを実施しております。直接の来院が難しい場合にはオンライン診療も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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